2011年9月30日金曜日

抜け毛注意。



すっかり秋です。
秋のこの時期、シャンプーをすると、ごっそり毛が抜けたりしませんか?
秋と春は、犬や猫と同じように、ケガ抜ける季節ではあります。
だけど、ごっそり抜けるのはいただけません。

髪は東洋医学では、「腎」と言う場所に支配されていて、そこが疲れたり弱くなってくると、
そのサインが出る場所です。
ですから、抜け毛が増えると言うことは、イコール、「腎」が疲れている、弱っているということになります。

「腎」とは、西洋医学で言う腎臓と少し似ていますが、その機能はもっと多くて、生命に直結した重要な場所です。
一番大切な仕事は、エネルギーを貯蓄して、分配することです。
人には、生まれながらにして持っているエネルギーと、食事や活動によって作るエネルギーがあります。

普段私たちは、後者のエネルギーで活動をしています。
しかし、現代人は毎日が多忙です。
夜更かしをしたり、オーバーワークで、休みなく活動して、

常にエネルギーを消耗するため、エネルギーをためることができません。
すると身体は、貯金を切り崩すように生まれながら持っているエネルギーでそれをまかなうことになります。
生まれながら持つエネルギーは、増やすことはできません。
使ってしまい、なくなれば命も尽きてしまいます。

抜け毛は、エネルギーの不足、疲労困憊のサイン。
「腎」は、骨とも深いかかわり合いを持っています。
そのサインが、歯の痛みや、骨格の痛みに移行する前に、早めの養生が必要です。
十分な睡眠を確保して、身体を冷やさないこと。
少しでもエネルギーの無駄遣いを減らして、エネルギーを蓄えましょう。
 
そして、「黒い食物」を食べることをお勧めします。
黒ゴマ、黒豆、ひじき、わかめ・・・。
「黒い食物」は、腎を養います。

2011年9月27日火曜日

風邪にご注意!

秋の日はつるべ落としといいますが、先週まであんなに暑かったのに、
いざ風が変わったら、とたんに激変。
上着なしでは外を歩けない感じです。
家にいても床から冷たい空気が流れて、寒くて寒くて・・・って言うのはわたしだけ・・・かな?
ともかくこんなに気温が変わってしまうと、増えてくるのは「かぜっぴき」さん。

前にも話しましたが、皮膚は私たちの身体に害を与えるものから身を守るための門番のようなもので、
外からの侵入を阻止したり、汗や皮膚呼吸で体温を調節したりします。
また、呼吸は、外気と内気を交換する大切な作業で、肺が統括しています。
その関係で、皮膚と肺は密接な関係があります。

薄着をしていると、くしゃみをしたり咳をしたりして、呼吸器系に問題が出るのはそのせいです。
身体の機能の中で、外気と接触するのは、肺(呼吸器)と皮膚だけですから、
外気の身体によろしくない者が侵入してきたときに、最初に不具合を生じやすいのです。

ですから、風邪をひかないようにするには、まず外気が入り込まないようにすることが大切です。
外気が入りやすい場所は、「首」や肩甲間部、そして脇から腕の内側、そして足首周り。
これらが直接外気に当たらないようにしっかり締めることが必要です。
暑かったり寒かったりで、着る服も何を着たらいいかわからないですが、
いつまでも薄着でいないで、上着やスカーフなどを使って、身体を守りましょう。

そして、急激な変化が起こっても、影響されない身体を作るために、自律神経をしっかりさせることも必要です。
特別なことはいりません。
お風呂上がりに手足と顔に水をかけましょう。
そして、寝るときは腹巻レッグウォーマーを忘れずに。

2011年9月20日火曜日

睡眠と身体の関係

秋の夜長、皆さんはどんなふうに過ごしていますか?
読書にテレビ、PC、・・・ああ、もしかして夜もまだ仕事をしている方も多いですね。
現代人は、灯りと言う文明を手にしてから、夜も活動的に行動しています。
しかし、どんなに文明が発達しようと、人は皆自然の一部であることにかわりません。
ですから自然のリズムに合わせて、昼は昼の活動を、夜は夜の活動をすることが望ましいと思います。
1日は24時間。
そのうちの半分は活動時間で、その半分は休息時間にして、
そのうちの3分の2、つまり8時間は睡眠に当てたいところです。
睡眠をとることは、一体どんな意味があるのでしょう。
身体の機能を最低限にして、身体全体を休息させること。
しかし本当は、睡眠中も身体は止まってはいません。
消耗したものを回復させ、次の活動をするためのエネルギーを充電する大切な時間です。
たとえば、ストレスや暴飲暴食で疲れた胃は、夜睡眠中に修復を行います。
ですから夜遅くに食事をしたりすると、その修復時間も消化作業をしなくてはならず、
胃に過大な負担を懸けてしまいます。
その結果、食欲がなくなったり、消化不良をおこしたりして、
満足にエネルギーを身体にとりいれることができなくなります。
また昼間体中を巡っていた血液は夜肝臓に戻り、体中から集めてきた老廃物や不要物を取り除き、
新しいエネルギーを蓄え、翌日の活動に備えます。
しかし、その時間に昼と同じ活動をすれば、その時間にするはずのそれらの仕事ができなくなるので、
エネルギーを補給できず、疲労や老廃物も残ったまま次の日を迎えるので、朝から疲労感を感じたりします。
エネルギーの充電も、身体に起きた問題を解決するのも、眠っている間です。
起きている間は消費が主なので夜更かしすると、翌日の準備も、身体を修復することもできません。
すると身体は、身体に貯めておいたエネルギーで不足を補います。
しかし、家計と貯金の関係と一緒で、赤字家計の補填に貯金で補っていると、
貯金はどんどん減ってしまいますよね。
身体の貯金は命の貯金です。
つまり、睡眠を削るということは、命を削るのと同じことになります。
過ごしやすくなって、ついつい夜更かししたくなりますが、
その日の疲れはその日に消化して、次の日に元気に過ごすためにも、
疲れたと感じたら早めに床につくということが必要です。

2011年9月16日金曜日

厳しい残暑です。




残暑厳しい日が続きます。
もう9月の半ばなのに、真夏日が連続7日。
36度を超えた場所もあって、身体に堪えます。

あまりの暑さに、今日、患者さんから「こんなに暑くちゃ、身体も夏のまんまなんじゃないんですか?」って訊かれました。
う~ん、植物も、温度や湿度で発芽したり成長したりするからねぇ。
温度や湿度が夏のまんまなら、身体もどうしようか困っているかもしれませんね。
それでも、いくら湿度や温度を感知していても、春と秋を間違えたりしないように、
やっぱり遺伝子に、ちゃんと「体内時計」が組み込まれているんでしょうね。

マツタケが、先週の涼しさで顔を出したのに、今週の暑さで腐ってしまったとニュースで言っていました。
それと同じことが私たちにも起こっていると思うと、ちょっと不安になります。
マツタケみたいに腐ったりはしないけれど、「体内時計」で、ちゃんと秋の準備をしているのに、
気候が夏のまんまだと、確かに身体には負担がかかっているでしょう。

身体の調子をチェンジさせる自律神経のスイッチが、めまぐるしくONになったりOFFになったりで、
身体がそれに追いつかず、自律神経失調症になる人がとても増えます。

「眠い。踏ん張りが利かない。疲れが取れない」
最近、そんなセリフを良く聞きます。
そんな時は、無理をしないで身体を休めてくださいね。

でもね、今日道端に彼岸花のつぼみを見つけました。
白い彼岸花。
きっと誰かが植えたものなんでしょう。
でも、去年はこの時期猛烈に暑くて、彼岸花が咲かなかったんですよ。
ひと月遅れくらいで咲いちゃって、なんだか気恥かしそうでした。
今年は、ちゃんと時期に咲きそう。
いくら暑くても、季節のものはその時期に見たいですよね。

暑さ寒さも彼岸まで。
折しも天気予報も、来週から涼しくなるとの予報が。
記録的な連続夏日も、今週まで!(のはず。)
来週からは、いよいよ本格的に秋の到来です。(のはず。)

2011年9月13日火曜日

中秋の名月






昨日は、中秋の名月でした。
昨夜はとてもいいお天気で、雲ひとつない夜空にぽっかりとまん丸のお月さまが浮かんでいました。
月は大好きです。
時間によって、その日の天候や、太陽の光の反射の仕方で、いろいろな顔を見せてくれます。
月の満ち欠けはとても神秘的で、生命に密着に関係していて、
夜、月を眺めていると、体内にいるような安心感を感じています。

さて、中秋の名月とは。
「中秋」とは、秋の中日という意味で、旧暦の8月15日をさします。
旧暦は陰暦とも言い、月の満ち欠けを見て作られた暦で、今の暦とは少し違っていて、
今年は昨日9月12日がそれに当たります。
もともとは、秋の収穫を祝い、土地の神様やご先祖様に感謝をする大切な祭事でした。
今の日本ではそういう風習は縁遠くなってしまい、ただ月を楽しむための行事となっていますが、
観月の習慣は、中国が起源。
中国、台湾では、「中秋節(中節(チュンジエ))」、韓国では「秋夕(チュソク)」と呼ばれ、祝日にして大々的に祝います。
同じ観月でも、日本と韓国、中国が違うのは、地続きと島のちがいなんでしょうかね。

でも、中国では月餅を、韓国では松餅(ソンピョン)という、中に豆や栗や、ゴマ蜜などをくるんだ蒸餅を食べます。
そんなところは日本の月見団子と似ていたりして、文化の繋がりを感じます。

東洋医学も中国が起源で、この陰暦と深いかかわりがあります。
自然と同じように、人間の身体も収穫の季節と考えられています。
植物のような実りはなくても、夏の活動で身体の中のエネルギーを一掃して、
たくさんの新しいエネルギーを取りこみました。
秋は今まで培ったものの成果を見せるときです。
運動会や文化祭が秋にあるのは、季節がいいだけでなく、「成果」の出す時期だったからでもあります。

そうやってみると、昔はずいぶん自然と生活は密着していたんだなと思います。
でも今は、合理的を重視するあまり、ずいぶん自然とかけ離れてしまいました。
季節の食べ物が何であるかさえわからなくなっています。
でも、人間も自然の一部なのだから、季節を感じ、季節とともに身体を作って行くことが、
身体のために一番じゃないのかなかな・・・?と、・月を眺めながらぼんやり思いました。. 

2011年9月9日金曜日

風邪をひかないように・・・

心地よい秋の風が吹いてきました。
過ごしやすい季節の到来で、心も身体もホッとしているみたいです。
でも、過ごしやすい季節が、身体にいい季節だとは限りません。
実は、この季節が一番身体には応えるのです。

夏は毛穴が開いて、体内に籠った熱を汗や皮膚呼吸で発散していました。
筋肉は活動しやすいように柔らかくなっていて、
運動することによって身体の循環を助けて、体内の老廃物や不必要なものを体外に出していました。
夏と言うのはそういう季節でした。

さて、気温が低下して秋がやってくると、身体は次の冬に備えて、
緩んでいた筋肉や開いていた毛穴をキュッと締めて、体内に冷えやウイルスや細菌などの侵入を防ぎ、
これから取り入れるエネルギーを蓄積するための身体づくりを始めます。

でも、暑い日があったかと思うと、急に涼しくなったりする日が続いたりすると、
準備中の身体はその急激な環境の変化について行けません。
ふいに吹く冷たい風が、開いた毛穴から身体の中に入り込んだりすると、風邪をひきやすくなります。
また、運動をして汗をかいた後、その汗を拭かずに放っておいたりしたら、
開ききった毛穴から冷たい風が入ってくるとともに、汗が冷えて身体の仲間で冷やしてしまいます。

そして、夏の間クーラーや冷たいものを食べて思うままに身体を冷やしていたりすると、
夏の疲れに加えて、ひえが体の機能を低下させてしまうので、それに対応する抵抗する力がありません。
そうすると、体内で風が暴れて風邪を発症してしまいます。

皮膚は外からの冷えやウイルスや細菌の侵入から身体を守り、
体内の熱やエネルギーが洩れるのを防ぐ大切な「関所」です。
皮膚の防御を援護するためにも、肌の露出を控えましょう。

気持ちがいいからと言って、夏の恰好をして、風邪に直接あたっていると、大変な目にあってしまいます。
特に首回りは風邪が侵入しやすい場所なので、スカーフや襟付きのシャツなどで守りましょう。
そして、意外と知られていないのですが、足首はお腹の調子を整えるエネルギーの流れが集中しているところです。
ここを冷やすと、一気に身体の奥を冷やしてしまうので、もうサンダルはしまって靴下やレッグウォーマーで守ってください。
そしてお腹を冷やさないようにして、免疫力と体力を強化しましょう。





2011年9月6日火曜日

もう秋ですね。

台風が過ぎて、本格的に秋になるはずですが、まだまだ暑い日も続きそうです。
皆さんお元気ですか?
真夏の暑さが帰って来ても、立秋を過ぎた今、暦の上ではもう秋。
いつまでも夏と同じ過ごし方をすると、後でとんでもないことになりかねません。
いくら季節が狂って、猛暑が続いても、私たちの身体はもう「秋」の身体に変化を始めているのですから。

ところで、暦って何でしょう?
ただ日にちを伝えるだけのものではありません。
元来、暦とは、古人が長い年月をかけて自然の運行を読み取り、その変化をまとめたものです。
人も自然の一部。
ですから、自然の運行に添って、動物が夏には夏毛を、冬には冬毛を纏うように、
季節の変化に順応できる身体に変化させていきます。

夏は生命力の入れ替えの時期。
今まで体内に貯めていたエネルギーを精力的に発散させて、新しいエネルギーをとりこみます。
だから、その過程で火照った身体をクールダウンさせるために、身体を冷やす食べ物を食べるのがよしとされます。

一方、秋は、今まで外側に向いていた生命力が内側に向かって変化する時期です。
今まで放出していたエネルギーを身体の奥に貯め込んで、冬の寒さに向かう準備を始めます。

夏と秋。
季節の移行時期だといえど、身体は正反対の働きをするために、急な変化を強いられるため、
身体に疲れが残っていたり、冷やして機能が低下していたりすると、
その変化についていけず、体のバランスを崩してしまいます。
ですから、夏から秋に移行する今の時期は、特に気を付けて過ごさないといけないのです。

特に、これから寒くなる秋に、体内に冷えを残してしまうと、
その冷えは、身体の中にずっと居座って悪さをします。

過ごしやすい季節なのに、体調を崩しやすいのはこのためです。
「秋の大風邪」を患って、長く休んでしまう。
喘息の方や呼吸器系の弱い方が、発作を起こしやすいのもこの時期です。
また、アトピー性皮膚炎がひどくなりやすいのもこの時期です。

ですから、暑いからと言ってむやみに冷たいものを食べたり、
クーラーや扇風機などにあたって体を冷さないようにしなくてはいけません。
食べたい気持ちをぐっとこらえて、アイスや冷たい飲み物とは、来年の夏までさようならをしましょう。
それから、今から旬の果物たち。
夜に食べたり、おいしいからと言って食べ過ぎたりしないようにしましょう。


2011年9月1日木曜日

こんにちは。
今度こちらにお引っ越しをしてきました、もくもくです。
よろしくお願いします。

私たちは女性鍼灸師のグループです。
東洋医学を通して、女性と子供の身体を中心に、身体の養生方法を考えています。

身体は、季節の移り変わりや環境の変化やに合わせて細やかに反応します。
また身体や心の変動にも繊細に反応し、ホルモンのバランスや、内臓や筋肉の機能を調節します。
女性や子供の身体は、特にデリケートで、少しの変動にもすぐに反応します。
そして、その小さな反応は、すぐ身体に出るとは限りません。
今日、明日の短期的なものから、10年、20年のスタンスで見ていかなければならないこともあります。

例えば、出産直後、無理をして、そのツケが閉経前後の「更年期」に、更年期障害や老化と言う形で出たりします。
また、もっと身近な話では、今鼻水や咳の風邪がはやっていますが、
これは冷たいものや、クーラーにかかりすぎで、身体を冷やしたことが原因です。
ですから汗やお小水などを出して、身体の中に溜まった冷えを追い出さないと、いつまでも治りません。

四季がある日本ならではの自然のリズムにあった、生活スタイルを考えるべきですが、
現代は、自然から少しずつかけ離れようとしていて、合わせることが難しいのが現状です。
でも、そんな生活と自然のリズムの歪みを少しでも解消して
折り合いのとれる養生法を考えていきたいと思っています。

ここでは、普段の生活や仕事の中で思ったことや、感じたこと、
それから今の環境のことを考えて、どうしたら健やかに毎日を送れるかを呟いて行こうと思っています。

日々の生活も忙しいため、毎日更新は難しいのですが、
毎週2回、火曜日と金曜日に更新していけたらと思っていますので、皆さんもお付き合いくださいね。