2015年4月6日月曜日

春うららですが・・・


春うららです。
 
冬の寒さはあっという間に春の風に追いやられ、
気がつけばもう5月の陽気なんだと、天気予報が言っていました。
突然やってきた春に、桜の花は慌てて咲いて、
開花したかと思ったらすぐに満開に。
 
桜の花は、蕾から開花までの時間が短いと、花の色が薄くなるそうで、
そう言えば、今年の桜はいつもより白い感じがします。
 
さて、急にやってきた春に翻弄されるのは、桜だけではありません。
毎年のことではありますが、暖かくなったと言っても、まだ朝晩は冷える毎日。
花冷えという言葉もあるように、急に冷え込む日もあります。
今週はまた冬の陽気に逆戻りだそうで、急激な気温変化には身体もびっくりです。

冬の間は毛穴がぎゅっと締り、風や冷えを防御していますが、
暖かくなると身体の緩みとともに毛穴も開き始めます。
でもこの時期は、身体はまだ春仕様になったばかりで、
毛穴も急激な寒暖に対応しきれません。

身体の中に侵入して悪さをする「風」を「風邪(ふうじゃ)」と言うのは、
前にもお話しましたが、
「春一番」と呼ばれる風があるように、春は風がよく吹きます。
春の風は、暖気と寒気を両方含んでいますから、
このような風が吹くと、その両方が身体の中に侵入し、
しかもその風は暴れん坊ですから、
身体の中を吹き回って、至る所に痛みや不具合を生じさせます。

悪寒を感じ、風邪を引いたり、
筋肉をひきつらせて、こむらがえりや、ぎっくり腰、寝違えなどを起こすのも、
この風邪のいたずらです。
ですから、スカーフや上着で直接風があたらないようにすることが大切です。

春に動き出すのは臓器は「肝」(肝臓)です。
「肝」は、血の生成や分配を司るところで、
冬の休息期だった身体を活動期に代えるために、
「肝」は一生懸命血を全身に巡らせなければなりません。
 
しかし「肝」は、血気盛んな臓器で(だって、血を分配するところだから())
興奮しやすく、すぐ暴走します。
しかも、抑えつけられるのがキライなので、ガマンを強要されたりすると爆発します。
「肝」の興奮は、そのまま身体や感情の興奮にもつながりますから、
春は浮かれたり、イライラしたり、とても忙しいのです。

先ほどの「春の風」が侵入すると、それを煽ってしまうので、
「肝」は暴走して、多量に血を送り出し、
急に血の気が多くなった場所に痛みを引き起こします。
頭はたくさんの血を必要とするので、特に痛みを引き起こしやすい場所と言えるでしょう

身体の中で一番血の分配量が多いのは頭です。
ですから、「肝」が興奮して、多量の血を一気に送ると、血管を圧迫して頭痛を引き起こします。
また、風邪が冷気をつれてくると、急に血管が収縮して重痛を起こしたりもします。
(よく氷を食べた時に起こったりする、あの痛みです。)

胃は、消化するときにたくさんのエネルギーが必要なので、たくさんの血を分配されます。
ですから、血が分配されるほどにたくさんの胃液分泌を促すので
「肝」が興奮して、必要以上の血が巡ってくると、
過食になったり、胃酸過多で胸やけを起こしやすくなったりします。

また、血が全身に運ぶ「栄養」は、「脾」(おなか)で作ります。
「脾」は、「肝」の命令により、血に栄養を載せて身体中に栄養を送ります。
春は活動期に入った身体を動かすために、「脾」もフルに動くので、
「肝」の興奮が昂ぶると、「脾」はそれに振り回されて、疲れ果ててしまいます。

冬に溜まった毒素をデトックスすることも重なり、
おなかが痛くなったり下痢をしやすくなります。
ですから、春は腹七分目くらいにして、おなかに負担をかけないようにしましょう。
おなかが健やかならば、十分な栄養を効率よく運ぶことができるので、
「肝」が暴走しようとしてもそれを抑えることができます。

心も身体もつい、うきうきしてしまう春ですが、
それと同じだけ、具合の悪くなる季節でもあります。
ちょっと意識をして、健やかな春を過ごしましょう。