東洋医学では、色と身体はとても関係が深いものです。
身体が示す色から、身体の状態を推測します。
黄色は、身体の中に「熱」がこもっていることを意味します。
たとえば、喉が腫れて痛い時や、足をねん挫した時など、身体の中に炎症がある場合がそれにあたり、
お小水や、鼻水、痰、オリモノなどの排泄物や分泌物、そして舌の上についている苔の色で、
身体の中に熱があるかどうかがわかります。
赤は、「熱」の勢いが強い時です。
高熱による顔の紅潮や、出血などがそれにあたります。
また、身体に水分が不足している時にも、舌や顔色に赤みが現れますが、この場合はくすんだ感じの赤です。
白は、冷えや湿気によるものが多く、活動に必要な「熱」が不足している時の色です。
そのほかにも、「気=エネルギー」や「血」が不足している場合も現れます。
貧血や、虚弱体質の人などの顔は青白いですよね。
ぬける様に白い肌は羨望の的ですが、実はエネルギー不足で冷え症だったり、風邪をひきやすかったりします。
紫や暗紅色は、「血」の流れが悪く、滞りやすくなっている時に現れます。
一番わかりやすいのは、ケガをした時に現れる内出血ですね。
唇の色や歯茎、舌の色、生理のときの経血や、静脈の色を見て判断します。
この色は、「気」や「血」の停滞を表わし、身体の機能がうまく回っていないことを示します。
「流れる水は腐らない」と言われるように、身体の中も、気血がうまく巡っていれば健康でいられますが、
停滞すれば、悪いものにかわり、悪さを始め病気の元にもなりかねません。
また、黄色は「脾(おなか)」、赤は「心(循環器)」、白は「肺」、黒は「腎(腎臓)」、
青は「肝(肝臓)」と、関連があります。
例えば、胃腸の悪い人は、顔や身体が黄色っぽかったり、喘息や風邪をひきやすい人の顔色は白っぽいです。
寝不足や疲労が蓄積すると、元気を貯めている「腎」が疲れて目に黒くクマができます。
「肝」は、精神状態ととても関係の深く、ストレスが多くイライラしている人は、
こめかみや目の周りが青っぽくなります。
基本を覚えておくと、今の自分の身体の状態を知る手掛かりになります。
神経質に見る必要はありませんが、自分に関心を持つことは大切だと思います。
顔を洗った時や、トイレに行った時に、ちょっとチェックをしてみてください。
健康管理を自分でするヒントになります。