2013年4月27日土曜日

骨折の季節?



もうすぐG.Wです。
相変わらず気候は荒れていますが、それでも少しずつ暖かくなって、
周りの木々や草花も鮮やかに彩り、なんだか気分もウキウキしてきます。
学校や幼稚園、
新しい生活にもようやく慣れて、緊張も少しずつ解れてきて、
外に出かけたい気分にもなります。

でも、こんなときこそご注意。

実は最近、とても怪我の、特に骨折する患者さんが多いのです。
自転車や車などの事故や、スポーツをしていての怪我よりも、
日常の生活の中で怪我をする人が多いようです。

シーツに足の指を引っ掛けて転んだり、タンスの隅に足をぶつけたり。
風邪を引いて、咳込んだ拍子に肋骨を折ったり、
特に思い当たる節がないのに、突然痛くなったので、
病院に行ったら骨折と言われた人もいます。
「後から考えたら、家の片づけをしていて、重いものを運んだけど、あれかなぁ?」

怪我に季節はないはずですが・・・。

骨折と言うのは、骨がぽっきりと折れてしまうものだけではなく、
骨の周りを保護していてる骨膜がはがれたり、欠けたりするものもあります。
しかも外傷によって起こるもの、疲労によって起こるもの、病気によって起こるものなど、
その種類もさまざまです。
特に疲労や病気によるものは、些細なきっかけで折れたりします。

だから、ちょっと転んだだけだから・・・なんて、痛いのを我慢して放っておいたりしないで、
その部分に痛みや腫れ、熱を感じたら、なるべく早く処置をすることが大切です。

骨折を疑う症状は、「痛み」「変形」「腫れ」「内出血」です。
おかしいと思ったら、まず腫れや変形などを見ます。
そして、その部位の骨をそっと押してみましょう。骨折ならば激しい痛みを感じます。
また、ちょっとした動作でも痛みを感じ、夜間痛や安静時痛も続きますから、
このような場合は、速やかに病院にいくことをお勧めします。

外傷によって起こる炎症を最小限にとどめるためには、
まず患部を心臓よりも上にして、すぐに冷やすことが重要です。
受傷してしまったらすぐに、
氷をビニール袋に入れたもの(あれば冷凍のミックスベジタブル)をタオルで包み、
患部をマッサージするように冷やしましょう。
そして患部が動くと激痛を伴うので、しっかりと固定します。

東洋医学で言うと、骨は腎という場所と深い係わり合いがあります。
腎は水分代謝を司ると同時に、生体エネルギーを蓄え、元気を湧き出す場所です。
ですから、骨を傷つけると言うことは、その腎に蓄えてある生体エネルギーを消耗してしまうので、
とにかく疲れやすく、眠気を伴います。
そして、体内の水分を多く消耗するので、水分代謝のバランスも崩れるので、
むくみや排尿などにも影響を及ぼします。

腎を養う黒い食べ物(ひじきやわかめ、黒ゴマ、黒豆など)を食べたり、
無理をせず、疲れたら横になって休むなど、安静に努めましょう。
そして、体の水分をとても消耗するので、水分をしっかり補給してくださいね。

それから意外と意識がない人が多いのですが、
炎症は熱によって助長されます。
ですから、お酒を飲んだりお風呂にはいったりすると、症状をひどくさせてしまいますから、
受傷時は厳禁です。

一番大切なのは、怪我をしないようにすること。
睡眠不足は、骨をもろくさせるので、しっかりと睡眠をとって、
陽のある時間にちゃんと陽に当たり、骨を養いましょう。
(太陽の光に当たることで、カルシウムの吸収を増加させます。)

炎症を温めるのは炎症を助長してしまいますが、
適切な場所にお灸をすると、熱と腫れをとって自然治癒力を高めるので、とても効果があります。
うちの治療院では、骨折などの外傷に「炎症灸」という、特別な灸法を使います。









2013年4月20日土曜日

赤ちゃんラッシュです。




過酷な今年の春に負けず、ただいま鍼灸院はベビーラッシュです。
本日もかわいいかわいい赤ちゃんたちのかわいい声が響いていました。
今日の赤ちゃんは、若い順に1ヶ月、3ヶ月、9ヶ月。
入れ替わり立ち代りやってくる小さな患者さんに、スタッフ一同癒されちゃいます。
泣いている顔も笑っている顔も、本当にかわいいっ。

赤ちゃんを見ると癒されるのは、幸せのホルモンと呼ばれる
「セロトニン」や「オキシトシン」というホルモンが分泌されるからです。
それは赤ちゃんの形状が、視覚的に「セロトニン」や「オキシトシン」を分泌するように
見た人の脳を刺激して、
それによって、赤ちゃんは、全面的に養ってもらう術を得るのだそうです。

ある人は、それを「かわいい光線」と呼んだりしますが、
こうしてたくさんの赤ちゃんを見ていると、本当にそうだなぁって思います。

「セロトニン」や「オキシトシン」は、出産の時に分泌が増え、
母乳を出すホルモンですが、お母さんだけが出すホルモンではありません。
これらのホルモンは、母子愛、男女の愛、家族の愛などさまざまな愛情を生むホルモンで、
それらの対象になるものを五感で感じた時に分泌されるのです。

これらが分泌されると、対象を慈しむとともに、ストレスなどで疲れた脳を安定させ、
自律神経にも働きかけて、脳の緊張を緩めてくれます。
だから赤ちゃんをみると、癒されるわけですね。

生命って本当に不思議ですよね。
すべてが緻密に自然の摂理として組み込まれていて、感心せずにはいられません。

ちなみに、このふたつのホルモンは、リズム運動、太陽の光、そしてコミュニケーションによって
分泌を活性化することができます。

朝、太陽の光を浴びて、分泌のスイッチを入れ、
深呼吸をしてたくさんの酸素を脳に取り入れ、セロトニンの生成を助け、
リズミカルに動くことで、分泌を活性化させて、

今日も一日幸せな気分で過ごしましょう。


2013年4月12日金曜日

大荒れの今年の春、不調を感じる人へ。



今日、藤の花が咲いているのを見つけました。
冬の寒さがもどってきたような気温の中でも、季節は着実に次の季節に向かっているようです。
藤の花の紫に、もうすぐやってくる初夏を感じました。

とはいえ、現実の環境は、相変わらずの大風と、気温のアップダウンに、
多くの人が翻弄されています。
もう春だから・・・と、思わずに、寒いときは寒い、暑いときは暑いと、自分の感覚に素直に従って、
服装を変えましょう。

そして毎回お話しているように、春の風はとてもやんちゃでいたずら好きです。
それに加えて今年の風は、ことのほか強風が続いていますから、
そのやんちゃぶりもただものではありません。

更に、今週はまた黄砂がかなり飛んでいて、
少しブームの去った(笑)PM2.5ももちろん高濃度で飛んでいます。
そして、放射性物質に、ヒノキ花粉、もう少ししたら別の花粉も飛ぶでしょう。

この時期は刺激に敏感で、春の風が運んでくるこれらの物質に過敏に反応します。
そして、一度粘膜が炎症を起こすと、通常なら反応しないものにまで反応し、
目や鼻など外部と近い場所だけでなく、呼吸器系や消化器系などの
内臓の粘膜も反応を起こし、のど痛や咳、痰などのさまざまな症状を引き起こします。

また、風邪(ふうじゃ)そのものが身体に入ると、
気の巡りの邪魔をして体の中のバランスを急激に崩してしまい、
頭痛やめまい、耳鳴り、高血圧などの症状が出たりします。

また、不規則な生活や過労などが続くと、身体の中を巡る気(エネルギー)が弱まってしまいます。
そこに、今日のように気温が低く冷たい風を肌に当ててしまうと、
風邪(ふうじゃ)や冷えが皮膚や体表に入り込んで、ジンマシンを起こしたり、
痺れや麻痺を起こしたりしするので、肌に直接風を当てるのは要注意です。

風邪(ふうじゃ)による症状が、初期の場合は、
発汗によって風邪(ふうじゃ)を追い出すことができます。

ねぎや、生姜、シナモン、薄荷などを食べて、発汗を促すものを食べるといいでしょう。
また、首を冷やしたり風に当たらないようにスカーフやタオルを巻いたり、
ホットタオルなどで温めるのも効果があります。

また、風邪(ふうじゃ)が身体の中に入っても、簡単に動揺しないような身体を作るために、
お腹を冷やさないようにしましょう。
お灸ができる人は、お腹の中脘(ちゅうかん)、関元(かんげん)と言うツボと、
足の内側にある、三陰交(さんいんこう)にお灸するといいと思います。



中脘(ちゅうかん):おへそとみぞおちの中間点。おへそから指6本上くらいの場所。

関元(かんげん):おへその下指4本分。

三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしから上指4本分の場所。押してみるとちょっと痛いかも。



2013年4月5日金曜日

.春だから血が騒ぎます。

先週に引き続き、春の風邪に翻弄されっぱなしです。
気温のアップダウンもさることながら、今年の春は大風が吹き荒れて、
毎年、毎季節ごと、その季節の特性が強くなって、
過酷な環境になっているような気がします。

前回、春の邪は「風邪(ふうじゃ)」だとお話しましたが、
風邪(ふうじゃ)という邪は、1年を通して存在します。
春の風邪は東から吹いて,作物や生き物を生長させる力があります。
夏の暑い南風は,作物に実を生らせて成熟させ、西から吹く秋の風は乾燥を運び、
葉や実を落とし、収穫させます。
そして冬の北風は寒さを運び、全ての生き物の活動を休息させて、
エネルギーを蓄えるようになります。

そして春の風に吹かれて、まず元気に活動を始めるのは、「肝」という器官です。
これは前にもお話したように、臓器で言えば「肝臓」に当たります。

肝は、身体が休息期から活動期に入るため、
今まで蓄えていたエネルギーを血(血液)で全身に分配し、
各器官が元気に動けるようにします。

血の運搬は心(循環器)なので、肝は心を活発に動くよう促します。
すると、血流が急に多くなりますから、血液を多く分配されている脳の血流量が減少して、
なんとなくぼんやりしたり眠さを感じたりします。

また、肝と心が司る精神、情志の活動も上昇するので、ホルモンの代謝にも急激な変化が起こり、興奮しやすくなるので、いわゆる「血が騒ぐ」状態になり、肝機能が更に亢進しやすくなります。

肝の性質は伸びやかで活発な活動を好むので、ストレスなどで抑えつけられることを嫌います。
抑えられると、暴れてさまざまな不定愁訴を引き起こします。
特に活発なこの時期は、ちょっとした環境の変化や、
日常のささいな刺激にも過敏に反応して、亢進したり、鬱滞したりと、翻弄されてしまいます。

眼精疲労、頭痛、めまい、イライラ、不眠、精神不安、冷えのぼせ、
動悸、肩こり、筋の引き攣れ、生理不順や、自律神経失調症・・・などのさまざまな不定愁訴は、
急に動き出したエネルギーや血液などに、身体がついてかない症状です。
そして、その動きで、身体は消耗しやすく、だるさや、眠気、無力感などを感じたりもします。
また、冬の毒気を排出するため、にきびや吹き出物なども出やすくなります。

気持ちのいい季節なのに、
身体は不調になりやすい春をうまく乗り切るためには、酸味のあるものを食べましょう。
酢の物、レモン、梅干など定番のすっぱいもののほかに、
この季節は、かんきつ類やイチゴなどの果物も豊富に出まわっていますから、
旬の食材として、それらを摂るのが効果的です。

酸味には、収れん、固渋作用(暴れるものを収めて、固める作用)があるので、
亢進した肝の機能を適度に抑え、「血のさわぎ」を鎮めるので、
興奮を鎮め、体の疲れを癒してくれるので、リラックスして深い眠りをもたらしてくれるでしょう。

しかし、冷え性の人や、体質の弱い人は、もともと血の巡りが悪いので、
酸味は控えたほうがいいでしょう。
また、酸味を取りすぎると、今度は胃腸の働きを阻害してしまうので気をつけましょう。