秋の味覚秋刀魚。
今年は少し漁獲量が減って、価格もお高めですが、
それでもやっぱり、秋は秋刀魚が食べたくなります。
今が旬の秋刀魚は、コンロで焼くと炎が出るほど、脂が乗っていて、
大根おろしを絡めて食べると、舌も心もほっこり綻びますよね。
さて、前回お話したとおり、秋は乾燥が強くなり、肺の機能が不安定になるときです。
肺は、呼吸することによって、全身に「気」を巡らせ、
血の流れや水分代謝を促す働きを持っています。
でも、鼻を通じて外気と直接触れる臓器ですから、
環境の変化にとても敏感です。
ですから、乾燥から守っていつでも潤しておく必要があります。
それには、身体を温め、肺に潤いを持たせて、
肺の気(エネルギー)を補ってあげることが大切です。
さて、秋刀魚に話を戻しましょう。
秋刀魚などの青魚は、甘味で、温性の性質を持っています。
甘味は、疲れを改善して、体の弱ったところを補い、痛みなどを和らげ、
温性は、身体を温め、痛みを和らげ、気血の循環を促す働きがあります。
そして、どちらの性質も穏やかに身体に作用します。
また、秋刀魚はEPAやDHAが豊富なので、中性脂肪を減少させ、動脈硬化を防ぎ、
脳の発育と働きを維持するのに効果があります。
そして、付け合せの大根おろしは、消化を促進して、解毒する作用があります。
秋刀魚などの青魚は、身体にいいとはいえ、脂が多く強いのですが、
大根おろしは、それを中和して、刺激を和らげます。
また、焼き魚のこげなどには、発がん性物質も含まれたりしますが、
それらも解毒してくれます。
なによりも、大根の辛味は肺にとてもいい作用をするので、肺を養うのにとてもいい食材です。
胸苦しさを解消し、上に上がった気を下ろしてくれるので、
除痰、吐血、鼻血の止血、のぼせなどにも効果があります。
秋の味覚を楽しみながら、身体を養って、
おいしく楽しく秋を過ごしましょう。
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