2014年12月19日金曜日

今年の冬至は朔旦冬至です。

爆弾寒波の襲来で、日本列島が真っ白になりそうなほどあちこちで大雪が降りました。
東京近辺は運よく雪はそれたけど、大雪に見舞われた地方の方々は大丈夫でしょうか?
雪は降らずとも、東京も昨日今日と氷点下を記録して、
いよいよ冬も本番です。


暦でも、今年は12月22日が冬至。
スーパーや八百屋さんで、カボチャやゆずが店頭にたくさん並んでいます。


今年の冬至は19年に一度のレアな「朔旦冬至(さくたんとうじ)」だそうです。
冬至というのは、1年で一番昼間の短い日なのは周知の事実ですが、
かつては1年の始まりという意味でした。


冬の太陽はとても低く、地面にできる影もとても長くなります。
まだ時を刻むものが日時計だけだった時代、
1年で一番影が長い日を「冬至」とし、一番影が短い日を「夏至」とし、
それをもとに暦が作られました。


東洋医学では、すべての物事は「陰と陽(マイナスとプラス)」で表され、
それらはお互いにバランスを取って成り立っているといわれています。


太陽は暖かい陽気(プラスのエネルギー)を地球上に降り注いでいます。
一年で一番低い「冬至」は、陽気が一番弱くなる時であり、
この後からまた少しずつ多くなっていく日でもあります。
そのことから、昔の人はこの日を「太陽が新しく生まれる日」として、1年の始まりとしたわけです。


また、太陽と同じように月の満ち欠けも昔の人は重視していました。
満月から少しずつかけていき、新月には空から姿を消しますが、
また少しずつ復活していく様子は、太陽のそれとよく似ており、
「新月」は「冬至」に相当します。


この「冬至」と「新月」が一緒に来るのが「朔旦冬至」で、
太陽(陽気)と月(陰気)の誕生が重なるということで、とてもめでたい日であるとされ、
昔は宮廷でも宴が催されました。


しかし、気(エネルギー)の運行上は、陽気も陰気も最も弱い日であるわけで、
天からのエネルギーの享受が少なくなるのですから、
身体は冷えやすく、体力も落ちます。
外部からの外邪(冷えや風邪など)も侵入しやすくなりますから、
他の日よりも意識して身体を温め、
体力が落ちるのを防がなければなりません。


冬至にカボチャを食べ、ゆず湯に入るのは、
そういった邪気に打ち勝つ体力をつけ、強い香りで厄払いをし、
新しい年を元気に過ごそうとしたのです。


今は、昔のように食糧が不足しているわけではありませんから、
かぼちゃを食べる意味も、ゆず湯に入る意味も薄れていますが、
「冬至」という一つの節目に、儀式的でもそういうことをするのは、
自分の身体を意識するという意味で、とてもいいことだと思います。


実際、今、インフルエンザも冬風邪も大流行中。
昔に作られた暦ですが、現代でもしっかり生きていると思います。


予防接種や薬に頼るだけでなく、
昔の人の声に耳を傾け、お風呂にゆずを浮かべながら、
季節と身体の関係を考えてみませんか?

2014年12月12日金曜日

ウイルス性胃腸炎も流行中。

12月も半ばともなると、師走の慌ただしさを実感します。
それとともに、インフルエンザや下痢嘔吐、溶連菌に、アデノウイルスなど、
さまざまな冬風邪も活発に発症し始めました。


今朝も通勤中、電車から降りた途端、ホームで思いっきり嘔吐をしているお子さんと会いました。
一緒にいたお父さんは、オロオロ(そりゃ、するよね。)
とりあえず改札の駅員さんを呼びに行ったけれど、大丈夫だったかな?


駅や電車の中で具合の悪くなる方が、毎日たくさんいます。
師走の忙しさに、いつもよりもラッシュの人々のイライラども高まってるし、
その中での押し合いへし合いはかなり大変。
暖房はきついし、コートは脱げないし。
お子さんなら尚更ですよね。
少し具合が悪いな・・・というときは、
無理をしないで途中で降りて休むとか、ひとつ電車を遅らせることも必要だなぁと思います。


さて、下痢嘔吐をした場合、排出物からウイルスが飛び散りますから、
なるだけ素早くそれらを処理することが大切です。
排出した瞬間にウイルスが空気中に大量に飛沫してしまうからです。


例えば、トイレで下痢や嘔吐をしたり、それらを処理した場合、
しっかりふたを閉めて流さないと、トイレの中にウイルスが充満してしまい、
次に入った人たちが感染してしまいます。


下痢嘔吐風邪のウイルスは空気感染で、その感染力も強力なので、
2次3次の感染ルートをなるべく広げないようにすることが大切なのです。


そうはいっても、特に下痢嘔吐風邪は突然発症しますし、
潜伏期間も、知らないうちにウイルスをまき散らしています。
これは下痢嘔吐のウイルスに限ったことではなく、、
ウイルス全般にいえることですから、感染から身を守るためには自衛が大切です。


100%有効ではありませんが、
マスクは空気中に散乱したウイルスから身を守ることができます。
風邪もひいていないのにマスクをつけるのは煩わしいものですが、
今のところ一番簡単で効果があると思います。


そして、必要以上に人ごみには入らない。
手洗い、うがいはこまめに。
外で不用意にものを食べたりしない。


不特定の人たちが利用するトイレなどは、ウイルスが潜んでいる可能性が多いですから、
利用するときは特に注意が必要です。
自分が使うときは、流す前にふたをして。
(もしかしたら自分も保菌しているかもしれませんからね)


そして何よりも大切なのは、睡眠をしっかりとること。
疲労の蓄積は、そのまま免疫力の低下につながります。


また、体温の低さは、免疫力の低さに比例しています。
1℃違うと、免疫力は20%低下するといわれています。
ですから身体を冷やさないこと。


このふたつを気を付けるだけで、たとえ菌を身体に入れてしまっても、
発症を防げます。


空気中にたくさん飛び交うウイルスから身を守り、
楽しい年末年始を健やかに過ごしてくださいね。

2014年12月5日金曜日

風邪を引くということ

寒波襲来で、暖冬と言われていた今年の冬も急激に寒くなってきました。
寒さと同時に、さまざまな風邪がはやり始め、
インフルエンザも流行の兆しを見せています。


連日テレビではインフルエンザの予防に予防注射をと、報道していますが、
インフルエンザにかかる人は、予防接種をしてもかかるし、
予防接種を一度もやらなくても、かからない人はかかりません。
様々な情報が飛び交っていて、毎年この時期、
「打つべきか、打たざるべきか」迷う人も多いでしょう。
でも、病院やテレビなどの言われるままに選択するのではなく、
自分の体調や、体質などを踏まえ、自分の意志で選択してほしいと思います。


さて、インフルエンザにしても、冬風邪にしても、
風邪を引いている人と一緒にいても、
移る人と移らない人がいるのはなぜだと思いますか?
それは菌やウイルスに対して抵抗力があるかないかの違いともいえますが、
逆の見方をすれば、風邪を引くのは身体が疲れている証拠だとも言えます。


健康な人の身体は、刺激に対して柔軟に対応することができます。
たとえば、すれ違いざまに人とぶつかったとき、
筋肉の柔軟な伸縮でその衝撃を受け止めたり流したりすることができます。
しかし、使いすぎて疲れた筋肉は、こわばり伸縮がうまくできません。
すると、その衝撃を受け流すことも踏ん張ることもできずに転んでしまいます。


それと同じように、私たちは、身体の中も寒暖の差、乾湿、
菌やウイルスといった外部からの刺激に対して、普段は順応に対応しています。
しかし、身体を使いすぎて疲れていると、その刺激に対応できず、
その力に負けて不具合を起こしてしまいます。


身体を使えば、消耗するし、歪みも生じる。
それを日々の生活の中で、毎日解消できればいいのですが、
現代社会において、早寝早起き、規則正しい食事…というのはなかなか難しく、
日々の疲労は蓄積し、それをリセットしないまま溜めていくと、
身体はどんどん凝り固まり、
刺激を受けた時に取り返しのつかない事態を引き起こしかねません。


風邪はその前に、身体をリセットするための一つのサインなのです。


熱が出て、節々が痛くなり、おなかが痛くなって下痢をしたり、
のどが痛くなって鼻や咳が出たり。


それは身体の中に侵入したウイルスや菌と身体が戦っているのと同時に、
身体に溜まった「いらないもの」を吐き出すシステムでもあります。


ですから、熱が出たからと言って安易に解熱剤を飲んだり、
下痢止めを飲んだりすると、そのシステムも止めてしまうので、
せっかく身体がリセットしようとしているのを止めてしまうことになります。


また、仕事が忙しいからと言って、身体のサインを無視して休みを取らないと、
身体は今度はサインを出さなくなってしまいます。
熱や下痢などのサインは、「身体を休めれば治ります」とのサインでもあります。
風邪症状を感じなければ楽だと思うでしょうが、
それは「風邪を引かない」ということではなく、身体の警報機能がマヒしたということで、
とても危険なことです。


風邪を引いたら、身体をリセットする時期が来たのだと思い、
薬を多用して強引に直そうとせず、
上手に風邪が経過するようにしましょう。


特別なことは何もありません。
疲れた身体を休ませる。これだけです。
身体を冷やさず、消化の良い食事をし、しっかり睡眠をとる。
出るものは出し、身体の声に素直に従う。
当たり前のことですが、一番大切なことです。


子供が急激に成長するとき、知恵熱などがでますよね。
熱が出てびっくりするけれど、そのあとは成長がさらに伸びるものです。
それと同じで、風邪を上手に経過させれば、身体もすっきりできますよ。



2014年11月7日金曜日

冬の養生

北風とともに冬がやってきました。
今日は立冬。
冬の初めの日にふさわしく、冷たい風が頬を撫でていきます。


天気の良い日は、まだ日差しが暖かくて過ごしやすい秋の陽気ですが、
朝晩はめっきり冷えて、昼間との温度差が10℃以上の日もあり、
上掛けも薄手のものからダウンやコートを着る人も増えてきてました。


冬という季節は、植物は枯れて土の中で根を張り、動物は冬眠します。
人間も自然の摂理に従い、活動期の春夏から、休息期に入り、
エネルギーのベクトルは外から内へ、、「蔵」することに動きます。
ですから、冬は無理な活動は控え、
身体を冷やさないようにゆっくり過ごすことが大切です。


身体に「蔵」されたエネルギーは、
疲れてガタがきている場所を補修したり、消耗した場所を潤し、
来シーズンの春に元気に活動できる身体を準備します。


また、寒気から身体を守るために、毛穴を閉じ、身体を固めるため、
気血の循環が悪くなります。
すると、筋肉や関節の痛みが出やすくなり、
血管や循環の障害の発症率が高くなります。


だからといって身体を緩めてしまうと、
今度は外気の冷えや乾燥が身体に侵入するのを許してしまいます。
休息期は、身体の機能も低下していますから、
さまざまな不定愁訴を引き起こしやすくなります。


急な寒暖の差にも、なかなかついてけませんから、
温かい部屋で汗を掻いたらこまめに拭き、
急にふく冷たい風を身体に入れないために、
袖や裾のつぼんだ服や、薄手の服を重ねる。


温かいものを食べて身体の中から身体を温める。
汗を掻かなくても、水分の消耗は夏と同じくらいですから、
水分は少しずつこまめに取る。


お風呂に入ったら、最後に手足と顔に水をかけて、
外気に触れる前に毛穴を締めるなど、
衣食住ともに、気を付けることが大切です。


休息期ですから、もちろん睡眠はたっぷりと。
早寝遅起きが、冬の正しい過ごし方です。


忙しい現代人。
これから忙しさもピークになりますが、
できるだけ休息を取ることを心がけ、
来年も元気に過ごせるように、生活を見直しましょう。







2014年10月28日火曜日

肌は身体の鏡です。

今日も秋晴れいいお天気。
でも、ここの所寒気の影響で、めっきり冷えてきました。
12月の陽気の日があったりして、そろそろコートを着ている人の姿も見えてきました。
ひんやりとした秋風に、思わずくしゃみや鼻水がでてしまいます。


ここから先は、乾燥も進み肌もカサカサしやすくなります。
東洋医学では、肌は外気から身体を守るバリアのようなものだとされています。
肌の表面には、「衛気」という生体エネルギーが流れていて、
肌のハリと艶を与えています。


ですから、衛気の流れが悪くなると肌荒れになり、
肌の調子が悪くなると、ウイルスや風邪、寒邪、湿邪といわれる、
身体によくない影響を及ぼす外気が身体に侵入するのを許してしまいますから、
風邪をひきやすくなったり、様々なところに不調を訴えたりします。
また、皮膚は内臓とも深くかかわっていて、
内臓のトラブルが肌に表れるとされています。


西洋医学的には、肌の生理機能は主に自律神経によって支配されており、
自律神経の乱れや精神的ストレスによって、大きな影響を受けます。
自律神経は、身体全体の機能の調整にかかわっているため、
東洋医学の見解同様、体調と肌の状態は、とても密接に関係しています。


例えば、ストレスがたまったり、お酒の量が多かったりすると、
肝の機能が低下します。
ここは血の流れを主っていますので、機能が低下すると、顔色が青くなったり、
目の周りが黒くなったりします。


そのストレスが過度に継続すると、今度は心(心臓)に負担がかかり、
血の巡りが悪くなりますから、顔面蒼白になり、力のない表情になります。


また、脾(おなか)は消化とともに、エネルギーと水分を身体にめぐらせます。
ですから脾の機能が悪いと、顔色は黄色くて力がない表情になったり、
肌のきめが粗くなったり、むくんだりします。


風邪などをひいて、咳や鼻が出たりすると、肺の機能が低下します。
ここは呼吸活動により全身に気をめぐらせ滋養する働きがあり、
体表に流れる衛気を主っています。
ですから、肌とも密接な関係があり、肺の機能が滞ると、
顔色が白くなり、肌の潤いが失われ乾燥肌になりやすくなります。


寝不足やハードな生活が続くと、腎の機能に支障をきたしてきます。
腎は、生体エネルギーを貯める場所であり、身体のいちばん深い場所で、
命を養う場所です。
ですから、機能が低下すると老化現象が加速し、シミや皺を作り、肌も黒ずんだりします。
また、髪の毛に反応がるので、毛が抜けたり、白髪になったりします。


肌荒れを治すことは、身体を治すことでもあります。
肌がカサカサしているからといって、ただ保湿クリームを塗っても解消しません。
まず、自分の生活を見直して、身体を養うことから始めましょう。


それでも、衛気は体表を流れていますから、肌を優しく撫でるようにマッサージすると、
衛気の流れを助け、肌に潤いを与えます。
気になる場所を指の腹や掌で試してみてください。
マッサージするときに、肌がひっぱられたり、肌がへこむのは強すぎます。
羽が肌に滑るように、掌を優しく滑らせましょう。



2014年10月3日金曜日

関節と身体の関係

清々しい風が吹いています。
陽の光もキラキラして、お出かけしたくなるような陽気です。
去年の今頃は、まだ暑かったけれど、
今年は秋らしい過ごしやすいのがうれしいですね。
こんなときは少し身体を動かして、代謝を促したいものです。


人間の身体はいろんな骨がつながってできています。
骨と骨の間(関節)には隙間があり、
その隙間があることにより潤滑に関節が動かすことができます。


しかし、姿勢の悪さや、過度な動作などにより、その場所に疲れがたまると、
そのすきまは、筋肉の緊張などにより引き付けられて隙間が狭くなってしまいます。
骨と骨の間の隙間には、血管や神経が通っているところも多く、
隙間が狭くなり詰まってくると、血液や神経の流れが悪くなり、
身体の動きや働きが悪くなり、
そこに老廃物がたまりさらに滞りを作るという悪循環を作り出します。
この「滞り」が「こり」です。


また、骨と骨の隙間が詰まると、逆にほかの骨間の隙間が広がりますから、
それを支えている筋肉に負担がかかり、今度はその部分が弱くなってしまい、
負担をうけとめられないと、痛みを引き起こします。


その場所には東洋医学でいうところの「ツボ」がたくさん点在しており、
内臓にも密接につながっているので、この場所が詰まったり、こりができると、
内臓の不調にもつながります。
(逆に、内臓の不調からこりがでることもあります。)


たとえば、パソコンやデスクワークなどで前傾姿勢が多いと、
肩甲骨あたりの脊椎間や筋肉が緊張し、コリが生じます。
そのあたりの筋肉は、呼吸を助ける筋肉でもありますから、
呼吸が浅くなったり、咳が出やすくなります。
逆に咳風邪などをひいたり、ぜんそくの人も背中が張ります。
この辺りに呼吸系と関係するツボがあるのも納得できます。


胃が悪くなると、胃を動かす固有筋が緊張します。
すると、脊柱に走る中枢神経に伝わり、
脊椎の周りで背中を支えている筋肉が緊張し、
その緊張が背骨や肩周辺の筋肉まで上のほうに伝わり、
背中から首に近い肩筋肉が硬直します。
この辺りには、胃に関係したツボが多く点在していて、
昔から、肩と胃は関係が深いことがわかっています。
ですから、肩こりがひどい人は、胃も弱くなりやすいといえそうです。


東洋医学と西洋医学は違うと思われがちですが、
ちゃんと突き止めていくと、実は同じことを言っていることが多く、
とても興味深いです。


関節の詰まりは、身体の動きや機能を低下させ、
「こり」は身体の巡りを阻害し、、一か所の「こり」はその次の「こり」を生み出し、
数々の不定愁訴や、身体の不調を引き起こします。


同じ姿勢で長時間いると、この悪循環を作りやすいので、
簡単でいいですから、こまめに身体を動かして、この悪循環に陥らないようにしたいものです。
また、深呼吸など深い呼吸ができると、身体の巡りをさらに助けます。


こんな気持ちのいい日には、外で深呼吸をして少し身体を動かせば、
身体もすっきりできますよ。

2014年9月19日金曜日

もう秋だから

すっかり秋めいた陽気になってきました
太陽もずいぶん穏やかな光になり、曼珠沙華がゆらゆらと風に揺れています。
今年は夏が早く終わったので(実はこれが本来の時期)、
ここのところ、時期が遅かった曼珠沙華も、ちゃんとお彼岸に咲いていて、
巾着田の曼珠沙華公園も、今満開だそうです。


誰が知らせることもなくても、秋が来ればちゃんと花を咲かせる曼珠沙華。
そんなすがたを見ると、自然はすごいなと思います。


まだ暦の上では9月。ここ最近の傾向では、この時期はまだ夏で、
去年などは30℃超えで、真夏日が続いていました。
私たちは、その記憶がどこかにあるので、
「本当はまだ暑いから」とか、「また暑くなるんじゃないか」とか、
などと考えて、いつまでも夏と同じようなことをしがちです。


多少肌寒くても、半袖を着たり、薄着でいて、
くしゃみや鼻水が止まらない人も多いのではないでしょうか?
ここのところ、鼻と咳の風邪がとても流行っていますが、
患者さんのおなかを触ると、とても冷たい人が多くて驚きます。
今年の夏は短かったけれど、暑くて湿気が多いムシムシと過ごしにくかったですから、
冷たいものをたくさん食べたり、クーラーが効いた部屋にずっといた人も多いでしょう。


夏の間にとった冷えが身体に残っているので、
おなかの機能を阻害して、エネルギーの巡りを悪くするので、
いろいろと身体によくない症状を引き起こします。


外気と矢面に立っている肺(呼吸器系)は、その影響を一番最初に受けてしまいます。
肺が傷ついてしまうと、肺と関係が深い皮膚も影響を受けて刺激に過敏になり、
毛穴の開閉がうまくいかなくて、風邪をひきやすくなったり、
逆に身体に入り込んだ冷えや熱を発散できずに、自律神経がくるってしまったり、
皮膚に炎症を起こして、アトピー症状になったりします。


去年が暑くても、暦の上でも陽気も、今はもう秋です。
少し残念だけど、夏はおしまい。
肌寒いと思ったら、がまんせずに一枚着るなどして、
身体を冷気から身を守りましょう。
とくに、この時期の冷たい風が直接肌を触ると、
直接肺を刺激して咳や鼻水、くしゃみがでてしまうので、
肌の露出を避けましょう。


また、お風呂に入った後、最後に手足と顔に冷水をかけると
自律神経を鍛えることができます。
風邪をひきやすい人や、アレルギー体質の人は、
まだ寒くない今のうちから習慣づけしておくと、
外からの刺激に過敏になりにくい体質を作ることができるので、お勧めです。


今朝は冷えたので、治療院では今年初めての「湯たんぽ」をベッドに置きました。
患者さんはみなさん「え?もう?」と驚かれていましたが、
実際衣類を脱いでベッドに入ると、皆さん気持よくて眠ってしまわれました(笑)
身体は、温かさをもう欲しがっているんですね。


頭で感じている季節は、過去の記憶で、実際とは違うことが多いものです。
頭で感じるよりも、肌で感じた季節を大切にしてください。



2014年9月5日金曜日

夏の疲れと老化

毎日めまぐるしく天気が変わっています。
狭い地域でも、場所ごとに天気が違ったり、時間ごとにコロコロと変わったりして、
天気予報をする人も予測がたいへんでしょうね。


夏から秋に向かってめまぐるしく季節が変わろうとしているのでしょう。
変化の大きな時期は、身体がそれについていくのも大変です。
身体のどこかに疲れを残しておくと、この大きな変化についていくことができず、
不調をきたしてしまいます。
でもこれ、実は老化の一種だったりします。


日焼けして肌が乾燥していたり、髪の毛がパサパサしてきたとかありませんか?
ちょっと暑いだけなのに、いつもより汗が多く出る。
立った瞬間に立ちくらみがあった。
眠くて眠くて仕方がない。食後は特にひどいとか、
風邪ではないのに、よく咳が出る。息切れしやすい。
目が見えにくい。筋肉が攣れやすい。
なにかあるとすぐに風邪をひいてしまう。


前はなかったのに、最近そんな症状を感じることがあるという人は要注意。
そのままにしておくと老化を一気に進めてしまいます。


老化とひとくちにいいますが、
老化というのは年齢の高い人がなるものとは限りません。
年齢には暦年齢(実年齢)と、生理的年齢というのがあり、
生理的年齢というのは、臓器の機能の低下や構造の変化などによって計算されます。
ですから、若くても、身体が疲れやすく機能が低下していれば、
生理的年齢はぐんと高くなるわけです。
ですから疲れ=老化といっても過言ではありませんね。


とにかく、今日の疲労を明日に持ち越さないこと。
これが大切です。


それにはまず、睡眠をしっかりとること。


人の身体は、夜は休息期、昼が活動期だとプログラミングされています。
活動期には活発に動けるように、脳や筋肉に多くのエネルギーや血が配分されます。
夜、血は肝にもどり、血をリフレッシュさせて次の日の活動の準備をし、
また、その日に消耗した身体を修復するために配分されます。


特に胃は、胃壁の修復を睡眠時だけします。
ですから胃が悪い人は、しっかり睡眠をとることが大切です。


夜、睡眠がしっかりとれないと、その工程がしっかりなされず、
十分なエネルギーを得られることができないので、
翌日の活動に支障が出てきてしまいます。


また、夏は腎という機能が消耗しやすい時期です。
腎は水分代謝を行い、生命維持に必要なエネルギーをためておく場所なのですが、
夏、活発な活動と共に汗をたくさんかくと、腎はかなり消耗してしまいます。
ここは、老化に一番密接に関係する場所なので、消耗したままにしておくと、
老化が一気に加速します。


腎の疲れは、耳や腰によくあらわれ、また、骨と関係が深いので、
虫歯でないのに歯痛が出たりすることがあります。
ですから、これらの症状が出る人は、かなりお疲れなので、
しっかりした休養をお勧めします。


腎の消耗には、横になって休むことが一番です。
食後や、疲れたと感じた時に、10分でもいいですから、
横になって休むと、かなり効果的です。


また、寝ているのに、いつでも眠いというのは、
おなかの機能が低下していて、
いつもより余分に血やエネルギーが必要なので、
脳や筋肉にまわす血やエネルギーをそちらにまわしているからです。
ですから、まず、おなかを養い、機能を高める必要があります。
おなかを養うには温めるのが一番。
おなかを温める方法は前々回の記事を参照してくださいね。


今年の夏は、去年よりも暑い日は少なかったけれど、
湿度があって厳しい夏でした。
誰もが身体に疲れを感じる時期です。
睡眠をちゃんととり、無理をしないで、
消耗した身体をしっかり回復させて、元気に過ごしましょう。
それが老化を予防する一番の秘訣です。







2014年8月29日金曜日

夏の咳風邪

猛烈な暑さと湿気に見舞われていた夏でしたが、
雨とともに急に涼しくなって、気が付けば秋の風が吹いています。
夏休みももう終わり。
宿題がまだの人は、ラストスパート頑張ってくださいね。


ところでこのところ、風邪を引いた後咳が止まらないという方がとても多いです。
通常咳風邪というのは、風邪が強く吹く春や、
急に涼しくなり乾燥する秋、冷え込む冬が多く、
空気が潤い気温が高い夏は、のどや鼻を傷つける要因が少ないのですが、
最近、夏も咳風邪が増えています。
しかも咳風邪にかかると、長引く人が多いのはなぜでしょう。


原因は、いろいろありますが、
一番多いのは、エアコンです。
本来夏は暑いもので、汗を掻きながら体温調節をして、
身体の新陳代謝が活発に行われますが、最近はエアコンに頼りがちで、
夏でも身体を冷えを取込みやすくなっています。


しかし、最近の夏は、本来の日本の夏よりも暑さが厳しくなり、
昼夜関係なく、エアコンを付けっぱなしの家庭も多いでしょう。


でもエアコンは、予想以上に身体を冷やし、
加えて部屋の空気を乾燥させますから、鼻やのどを傷め易いのです。
涼しい部屋にずっといると、毛穴が閉じてしまうので、
身体の中に溜まっている湿気は体外に出ることなくとどまり、
冷えとくっついて、体中にむくみを生じます。
このむくみは、手足だけではなく粘膜にも生じますので、
のどや鼻は過敏になり、刺激を受けるたびに咳や鼻水が出てしまいます。


しかもこの冷えと湿気のくっついた《寒湿》というものは、
とてもしつこくその場所にへばりつくので、
一度溜めてしまうと、なかなか体外に排出できません。
ですから、夏の咳風邪は長引いてしまうのです。


そしてもう、これからは秋に移行する時期ですから、
今、この《寒湿》をしっかり排出しないと、秋冬まで持ち越してしまい、
最悪の場合、咳風邪も秋冬に持ち越しかねません。


ちょうど今は暑さも少し落ち着いてきたので、
あまり部屋を冷やしっきりにせず、身体を動かし、
汗を掻いてしっかり身体の外に出してしまいましょう。


重だるい身体も、汗を掻くくらい運動すると、軽くなってきますよ。
そして、冷たいものはもうやめて、おなかを温め、新陳代謝を促して、
元気に秋を迎えたいものです。


まだ、今なら間に合いますよ。









2014年8月8日金曜日

暦の上では秋になりました。

おひさしぶりです。


暑い日々が続いていますが、みなさんお元気にお過ごしですか?
今年は少し変な陽気で、早くから台風が来たり、
ゲリラ豪雨かと思えば、いきなりの猛暑で、
いつにも増して、厳しい夏になっていますが、
暦の上では昨日8月7日の立秋を過ぎ秋となりました。


今と昔の夏ではずいぶん変わってしまいましたが、
人間も自然の流れの一つであるように、地球の動きに合わせて身体が変わります。
今までのように、夏と同じ過ごし方をしないで、
秋に向かうための過ごし方に変えていきましょう。


この時期は、おなかの調子がとても敏感です。
胃腸は、とても温度や湿度に敏感で、夏の暑さで消耗して疲れていますから、
おなかを補い、働きを高めることが必要です。


加えて、身体のシステムが、エネルギーを消費する活動期から、
エネルギーを溜めこむ休息期へ移行しようとしていますから、
身体に取り入れたものはすべて、身体に溜めこもうとします。
この時に冷たいものを食べると、冷えを取込んでしまうので、
気温が下がる前から身体を冷やしてしまい、
涼しくなった時に、必要以上に身体が冷えて体調を崩してしまいます。


おなかの働きは、暖かい環境の中でスムーズに動き、冷えや湿気を嫌いますから、
冷たいものを食べるのはもうやめて、おなかを温める性質のものを食べましょう。
また、この夏は特に暑く、汗をたくさん掻きましたから、体液もずいぶん消耗しています。
体液を消耗すると、体液を作る血も消耗するので、
それらを補う食べ物もしっかり取って、血の消耗をできるだけ解消したいものです。


血を補う食材は、牛肉、ホウレンソウ、小松菜、イカ、タコ、ぶどうなど。
身体を温め、おなかを補う食材は、イモ類、穀物、肉類、インゲン、とうもろこしなどです。


そこで、この時期のおすすめレシピをご紹介しますね。


≪じゃがいもと小松菜の中華スープ≫


材料:じゃがいも、小松菜(青梗菜でもよい)、にんにく、たまご、鶏がらスープ


①じゃがいもは短冊切りに、小松菜は食べやすい長さに切ります。
②鍋にごま油をいれ、スライスしたにんにくを炒め香りが出たら、
 じゃがいもと小松菜を入れてさっと炒めます。
③②に水を注ぎ、鶏がらスープを入れてさっと煮たて、
 塩コショウで味を調えた後、最後に溶き卵を入れて、ひと煮立ちしたところで出来上がり。


≪タコと夏野菜のトマト煮≫


材料:タコ、ズッキーニ、エリンギ、インゲン、パプリカ(ピーマンでもよい)、
    にんにく、トマト缶、コンソメ


①タコ、野菜は食べやすい大きさにぶつ切りにする。
②鍋にオリーブオイルを入れ、みじん切りしたにんにくを炒め、香りが付いたら野菜を入れる。
③野菜に軽く火が通ったら、トマト缶を入れて、
 沸騰したらコンソメを加え水分が半分になるまで煮る。
④③にタコを入れ、さっと火が通ったらできあがり。


*タコはあまり火を通さないほうが固くならないです。


*タコ、インゲンは血を補い、
 トマトは心熱(夏の暑さで身体に溜めてしまった熱や、イライラの熱)を取りますが、
 火を入れるので必要以上に身体を冷やしませんから、この時期にぴったりですね。
 



2014年7月11日金曜日

夏風邪注意!

台風ただ今通過中。
でも風も雨もなく、ただただ暑い東京です。




昨日先生が、無事ドイツに出発され、
今頃は、月曜のW杯決勝に燃えるベルリンについているはず。
しばらくは、ドイツと日本の二元活動になりますが、宜しくお願いします。






 
さて、日本をなめるように北上中の台風。
午後からは熱帯低気圧に変わるようですが、梅雨前線の影響もあり、まだ気が抜けません。
天候の変動にまだまだ翻弄されそうです。
急激な気圧の変動で、頭や身体が重く感じる方も多いでしょう。
この不調は今だけですから、とりあえず無理に動かないで通り過ぎるのを待ちましょう。






蒸し暑く、食欲もあまり湧かないけれど、
だからと言って冷たいものや水分の多いものばかり食べると、
湿気と冷えがおなかに負担をかけてしまいます。




今、巷では、ウイルス性胃腸炎やアデノウイルス、手足口病などの夏風邪が流行中。
どのウイルスも、普段はあまり強いウイルスではありませんが、
こういう天候で、体が弱った時に感染しやすいものです。




大人でも感染します。


もし、小さなお子さんやお年寄りのいるご家庭なら、
目がかゆくなったり、軽い下痢や腹痛などがあるときは、
タオルを別にするほうがいいでしょう。


逆にお子さんが感染した場合、看病中にお子さんから感染して、
ひどい目に合っている親御さんの話をよく聞きます。


弱いウイルスでも、大人から子供への感染よりも、子供から大人への感染のほうが、
症状がひどい場合が多いです。


特に手足口病、アデノウイルスは、最近の様子を見ていると、ひどくなる傾向があるようです。
看病するときも、こまめな手洗いをして、
お子さんの口を付けたものなどに口を付けないなど、
自己予防を心がけましょう。

2014年7月5日土曜日

湿気が入ったら

不安定な天気が続いています。
ここのところ、雨が遠ざかって洗濯物が乾いてうれしかったですが、
昨日九州を襲った雨がただ今こちらに流れてきているようで、
これからの雨が心配です。


そんなわけで、今日はいきなり最高温度24度という肌寒い1日になりそうです。
それでも湿度は80%越えなので、ジメジメと肌にまとわりついて、
実気温よりも暑く感じるかもしれません。
でも、この肌にまとわりつく湿気が、
空調や外の風や冷えを取込んで一緒にまとわりつくので、
とても身体が冷えやすくなっています。
しかも、汗を掻いてもなかなか乾かないので、それをさらに助長します。


肩を露出すれば、肩に冷えと湿気がまとわりつき、肩の痛みを引き起こし、
腰を冷やせば、ぎっくり腰などを引き起こし、
おなかに入れば、下痢やウイルス性の胃腸炎になりやすくなったりします。


この時期の痛みは、じくじくとしつこいですから、
なるべく湿気を取込まないようにしたいものです。


それでももし、入ってしまったら。
ともかく温めてあげることが一番です。
「ペットボトル湯たんぽ」は、前からおすすめしていますが、
冷えた場所にタオルを当てて、お湯を入れたペットボトルの底をその部分に当てると、
お灸に近い効果が得られます。


昨夜、雨が降り始めて急に肌寒くなっているのに、
出先で冷たいジュースを出されて、断れず飲んでしまい、
しかもそのあと、家でついうたた寝をして身体を冷やしてしまったら、
今朝、案の定ごろごろ(涙)


そこで、おなかにタオル敷いて、
お湯を入れたペットボトルの底をおへそに熱くなるまで当てると、
何とか痛みも和らぎ、落ち着きました。


ついつい、冷たいものを食べてしまっておなかがゴロゴロとなる人も多いでしょう。
そんなときは、こんなふうにするといいですよ。
ただ、おへそのお灸は刺激が強いので、
お子さんにするときは、
おへその上(チュウカン)と下(カンゲン)を温めたほうがいいでしょう。

2014年6月21日土曜日

W杯と身体の関係

冷夏と言われつつも、夏は暑い。
心も体も活動期間ですから、気も血も活発にめぐります。
何となく気持ちがわくわくしたり、何かに興奮したり、いろんなことに目が向き、
仕事も遊びもがんばっちゃう・・・本来夏はそんな感じです。


ところが、梅雨で湿気が身体に入ってしまうと、
活発に巡ろうとする気血の流れが湿気によって疎外されてしまうので、
やる気が起こらなくなったり、だるくて動けなくなったりします。


身体を動かして汗を流すことが、暑い夏を楽しく過ごす秘訣です。


身体が活発になると、気力も活発になりますから、
何かに興奮したり、楽しいと思う気持ちも隆起します。
気持ちが上がると、気も上がり、血も上がりますから、
頭もめぐり、活動も活発になります。


ところが、この気持が余り上がり過ぎると、身体に支障をきたし、
活動を再び妨げる原因になります。


たとえば、「怒」。
「怒り」は血を騒がせ、「肝」という機能を不安定にさせます。
「肝」は血の分配を司るところなので、それを収めようとして負担がかかるからです。
日々のストレスはイライラを生じ、「怒り」となります。
「肝」がストレスにとても敏感だというのは、そういうことです。


「喜」もしくは「楽しみ」は、気を緩ませ心を軽くさせます。
「心」の機能と関係が深く、気血の流れに直接関係しますから、
適度であれば循環が滞りなく、身体の調子も上がりますが、
過度になると、心拍のリズムを乱し、身体を消耗させます。


ただ今W杯で盛り上がっておりますが、
勝っても負けても、興奮してお酒の量が増えたりすると、
負けて悔しければ、「怒り」を助長し、
騒いでいる「肝」をさらにお酒で負担をかけてしまいます。


また、勝てば、「喜び」に心が緩みますから、羽目を外しやすく、
お酒でさらに緩ませてしまうので、身体の消耗を助長してしまいます。


祝賀会も、残念会もほどほどに。
それでも、楽しい時間を過ごしたいですから、そんなときはこちらをお供にどうぞ。


《豆腐とトマトのサラダ》
豆腐とトマトは、かっかした気持を鎮め、暴れて滞った「肝」の流れをよくします。


《豚肉と野菜のオイスターソース炒め》
豚肉と小松菜、にんじんは、「心」を鎮め養い、
ニラは解毒作用があるので「肝」を助けるので、疲れすぎを防ぎます。
また、青梗菜にも、心を養い不安を取る効能がありますので、
青梗菜に変えて作るのもおすすめです。


料理ができないときは、落花生を食べるのもOK。
中国では、身体の弱い場所を食べると強くなるといわれていて、
「肝」が疲れるときは「肝臓」(レバー)を、
「心」が疲れるときは「心臓」(ハツ)を食べるといいでしょう。
焼き鳥屋さんで、ぜひ。


何事も過ぎたるは及ばざるが如し。
食べ過ぎ、飲み過ぎはもちろん、興奮しすぎるのは身体によくありませんから、
くれぐれも程々に楽しんでくださいね。







2014年6月14日土曜日

湿気を身体から追い出そう!

連日の雨から一転して、今日は真夏のような青空。
久しぶりの青空はうれしいけれど、一気に上がる気温と昨日までの雨による高湿度で、
身体にとっては、あんまりうれしくない気候です。


ここ何回かお話している「湿気」ですが、暑いのも冷たいのも大好き。
冷えがあるときは、冷えを取り込んで頑固に身体を冷やし、
関節痛やむくみが出やすくなり、おなかの機能を低下させてしまいます。


暑いときには、熱を身体に取り込んで体内に熱を溜めこんでしまいますから、
のぼせや熱中症になりやすく、
心臓にも負担がかかるので注意が必要です。


また、湿気は一度取り込むと、冷えも熱もなかなか手離さないので、
いつまでも冷えや熱が身体の中にしつこく残って悪さをします。
ですから自律神経が乱れて、身体にさまざまな不調をきたします。


末端への気血の循環や水分調節は、筋肉の収縮と呼吸によって行われていますから、
筋肉が常に柔らかく、滑らかに収縮することができれば、
多少の気温差や湿気が入り込んできても、
それらを上手に排出して対応できるのですが、
筋肉が固く収縮がうまくできないと、なかなか排出できないばかりか、
急激な変化に柔軟についていけないので、
筋肉の引き攣れぎっくり腰やぎっくり首をおこしやすくなります。


この時期は湿気やどんよりした天気のせいで、
気分もあまりすぐれないし、身体もだるく、身体を動かしたくない気分ですが、
軽い運動をして汗を流したり、
マッサージやストレッチなどをして固くなった筋肉を解しておけば、
巡りもよくなり、健やかに梅雨を乗り越えることができますよ。


とは言え、毎日雨が続いて外に出られない日も多いでしょう。
そんなときは、家でできる簡単な運動をご紹介しますね。



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[ 足踏み体操]
足を高く上げてその場足踏み。
お好みの音楽に合わせて行えば、効果倍増です。




[ペンキ塗り体操]
掌を刷毛に見立て、壁にペンキを塗るように肩から大きく上下に動かします。
下から上に上げるときは、手の甲を壁につけるように。
手首、肘、肩の関節を柔らかくする体操です。




だるくてどうしても動きたくないときは,




[ふくらはぎマッサージ]
仰向けになり、片方の足は膝を立て、もう片方の足を膝の上に乗せ、
膝頭でしごくようにふくらはぎや脛を動かす。
これなら、テレビを見ながらや、寝る前に簡単にできますよね。




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そして、汗を掻いたらこまめにふき取りましょう。
汗の掻きっぱなしは、せっかく排出した湿気を再び取り入れ、
熱や冷えを取込む元になります。


それでは、ジメジメした梅雨も元気に過ごしましょう。



2014年6月6日金曜日

湿気撃退レシピ

いきなり暑い日がやってきたと思ったら、いきなり梅雨宣言。
例年よりも早い梅雨入りに、それまで乾燥した空気に慣れていた身体は、
いきなりの湿気の到来に大慌て。


身体が重くだるくなるし、顔も手足もむくみ気味でイケていないし。
それだけならともかく、節々が痛くなったり、
胸が詰まったような不快感や、頭痛や食欲不振などを感じる人もいるでしょう。
それらはすべて湿気が身体にへばりついて起こす症状です。


人間はたえず水を必要としていますが、多すぎても身体によくありません。
この時期のように湿度が高くなると、身体の中の水分代謝も低くなります。
代謝がうまくいっていれば、余分な水分は尿や汗などで排泄されますが、
疲れていたり、寝不足や、身体を冷やしていたりすると、うまく水分を排泄することができなくなり、
結果、余分な水分を身体に貯めこんでしまうことになります。


水の代謝を助ける食材は、前回もお話ししたように、緑豆もやしが有効です。
スープにしてもよし、炒めものでも、和え物でも、サラダにしてもよし。
それに+αの食材を加えて、自分の身体に合ったレシピで湿気を対処しましょう。


①ジメジメが嫌な時。
湿気が多いと、汗を掻きにくくなります。
そんなときは、身体の湿気を取り発散作用のあるニラやネギ、ショウガなどを加えましょう。


おすすめレシピ
《豚にら炒め》
材料:豚肉、ニラ、もやし、ネギ、しょうが、酒、塩コショウ
レバニラの豚肉バージョンです。
1.豚肉は適当な大きさに切り、酒とショウガを混ぜたものを揉み込む。
2.フライパンに油をひいて肉を焼き、色が変わったらもやし、ネギを投入。
3.塩コショウで味を付けた後、最後にニラを入れてさっと炒めたら出来上がり。


レバーが得意な方は、ぜひレバーで。でも、豚肉もビタミンAが豊富で、
夏バテしやすい今の時期は、とても身体に有効な食材です。


②冷え症や冷たいものを食べておなかを冷やしているとき
水と冷えはとても仲が良く、二つがくっつくとより身体の代謝を低下させます。
こんなときは、身体の中から温めて代謝を促します。
ネギ,ショウガのほかに、トウガラシやニンニク、エビなどを取り入れてみてください。


おすすめレシピ
《エビと春雨のスープ》
材料:エビ、緑豆春雨、もやし、にら、にんにく、鶏がらスープ、
1、鍋にごま油を少したらし、みじん切りにしたニンニクを炒め、
  香りが出たらエビとネギ、もやしを入れてさっと炒めます。
2、水を加え沸騰したら、とりがらスープの素と春雨を投入。(春雨は水に戻さなくてOK)
3、塩コショウで味を調え、最後にニラを入れてさっと火を入れたら出来上がり。


③湿気がおなかに入ると、食欲不振や頭痛を引き起こします。
こんなときは、おなかの調子を整え、おなかに溜まった余分な水の排出を促す、
大豆、ソラマメ、枝豆、あずき、トウモロコシなどがおすすめです。


おすすめレシピ
《空豆と春雨の中華サラダ》
材料:空豆、トウモロコシ、緑豆春雨、スイートチリソース、しょうゆ、砂糖、レモン汁
1、ソラマメ、トウモロコシは茹でて一粒づつばらしておく。(トウモロコシは缶でも可)
2、春雨は沸騰した湯に入れ1~2分茹で、(固めのほうがおすすめ)
  水を切った後、食べやすい長さにカットする。
3、ピリ辛ソースは、材料を全部混ぜて味を調えておく。
4、材料をすべて和える。


空豆は、枝豆や大豆などに変えてもOK。
食欲不振で、身体に熱がこもっているような人は、
付け合せにキュウリやトマトをあしらうといいでしょう。


食事をおいしく取りながら余分な水分を賢く排出して、
うっとうしい梅雨を爽やかに過ごしましょう。













2014年5月30日金曜日

湿気対策

晴れているのに突然雨が降ったり、不安定な天気が続いています。
気圧も上がったり下がったり忙しくて、身体が対応するのが大変。
思い返してみれば、ここ何年か、1年中身体に大変な気候だって言ってるような気がします。
本当にいつから日本の気候は、こんなに過酷になったんでしょう?


からりとしていた空気も湿気を含み、そろそろ梅雨の予感。
気温の高さも手伝って、ムシムシした纏わりつく暑さになってきました。
本格的に梅雨に入る前から、湿気対策をして、
夏を楽しく過ごせるようにコンディションを整えておきましょう。


この時期、汗をかいても湿度のせいでなかなか乾きません。
そこでクーラーなどの風に当たると、一気に身体を冷やしてしまいますから、ご注意。
こまめに汗を拭いて、身体を冷やさないように気を付けましょう。
とはいっても、外出していたり仕事中だと、汗を掻きっぱなしになってしまうことも多いでしょう。
そんなときは、事前に小さなタオルをおなかや背中などに入れましょう。


また、冷たいものや果物、白砂糖系の甘いものを食べると、胃を冷やしてしまうので、
身体の冷えを助長してしまいます。


体調が芳しくなかった患者さんに、
最近の生活を聞いてみたら、期間限定のホワイトチョコレートのラスクを買いだめして、
毎日冷蔵庫で冷やしたものを食べていたということがありました。


甘くて冷たいものは、食べやすいのでつい手が出てしまいますが、
常習性が強く習慣になりやすいので、気を付けなければなりません。
冷たくて甘いものは、湿気が好む食品でもあります。
常用すれば、冷えだけでなく倦怠感や、節々の痛みなども伴ってきますから、
安易に手を出さずに、温かくて消化のいいものを食べて
胃腸に負担をかけないようにしましょう。


この時期におすすめな食品は、なんといっても緑豆もやし。
緑豆もやしは、身体の中に滞った湿気を体外に排出してくれます。
もやしだけでなく、加工品である緑豆春雨(細めの春雨)も効果的です。


さっと炒めるのもよし。
さっと茹でておろしにんにくとごま油、塩コショウで和えれば、
身体の中の湿気を排出するだけでなく、疲れた身体を滋養してくれます。


また、春雨はスープに入れるとボリュームも上がり、
つるりと食べられるので、食欲のないときでも食べやすいです。
たっぷり野菜と一緒にいっしょにどうぞ。















2014年5月23日金曜日

紫外線の季節です。

春も桜が過ぎた頃から、バタバタと時が過ぎ、
気が付けばあたりは初夏の風が吹いています。
今週末は運動会の学校も多いでしょう。
ここのところ、天気が不安定ですが、いいお天気だといいですね。






まだ夏の日差しに比べれば、そんなに強さを感じませんが、
実は一番気をつけなければならない季節だって知っていました?






夏になって日差しの強さに比例して、気をつけたくなるものですが、
実は紫外線には3種類あり、種類によっては雲やガラスも突き抜けて、
肌の表面だけでなく真皮まで傷つけるものがあります。


ガラスを突き抜けるのですから、室内にいても油断は大敵。


そして、この紫外線は真皮まで到達し、肌のハリや弾力にたいせつな線維を傷つけて、
しわやたるみを作ります。


その紫外線が一番多く降り注ぐのが5月6月なんです。




また紫外線に当たると、身体の水分が消耗してしまい、
皮膚も乾燥して、更に細かいしわまで作ってしまいます。




ですから、雨や曇りで太陽が出ていなくても、紫外線はたっぷり降り注いでいるので、
きっちり紫外線予防をしなければなりません。




そして、紫外線を浴びたお出かけの後は、たっぷり保水をしましょう。
全身の水分が消耗していますから、お肌だけ保水しても潤いません。
水分補給を十分しましょう。






また、ストレスや睡眠不足は気血の流れを阻害して、肌のダメージをさらに助長させます。
紫外線に長く当たると、体力も思った以上に消耗します。
それはお肌のくすみや張りがなくなる結果につながります。




肌と身体のダメージは一心同体。
お肌を早く回復させるためにも、体調を整えることは必要不可欠ですから、
たっぷり睡眠をとりましょう。




そんなことを頭のどこかに置いて、この週末も楽しんでくださいね。







2014年4月25日金曜日

さあGWです。

緑は芽吹き、心地よい風が吹き、もう来週は5月。
5月といえばGW。いよいよ楽しい大型連休がやってきます。
でも、みんなのお世話をするお母さんにとっては大変ですよね。
今からため息をついている方も少なくないでしょう。
でも、せっかくの休日ですから、楽しんでくださいね。


でも、新しいシーズンが軌道に乗ったところ。
特に新しい環境に入ったばかりのお子さんは、
そろそろ緊張が解けて疲れが出てくる頃でもあります。
あまり羽目を外してしまうと、休み明けに疲れがどっと出て体調を崩しやすくなります。
目いっぱい遊んでしまわないで、ゆっくり過ごす時間を持つことも大切です。


また、休みだからと言って夜更かしして、翌日朝寝坊をしたり、
疲れを解消しようと、一日中ごろごろするのも考えものです。


身体の中で、気(生体エネルギー)と血が絶え間なく巡っていて、
その巡りが滞ったり、流れが悪くなるとそこに老廃物などがたまり、
炎症や不調を引き起こし、そのままにしておくと病気になります。
体調の不調は、病気になる前のSOSと言ってもいいでしょう。


心臓の拍動をイメージしてもらうと、わかりやすいでしょうか。
身体はいつもリズミカルに動いています。
もし、心臓の拍動が早くなったり遅くなったりしたらどうでしょう?
それが身体に良くないことはよくわかりますよね。


リズムは共鳴します。
環境や自然界、生活のリズムと身体はすべて一つの流れに繋がっています。
そのリズムを無視すれば、不協和音になるように、
急にいつもと違うことをすれば、リズムの狂いはそのまま身体に反映します。


季節の変わり目の変動に加え、異常気象や大気汚染と、
めまぐるしい環境に合わせようと、身体は日々頑張っています。
そこで、自分からリズムを崩してしまうと、身体の消耗をさらに助長させてしまいます。


「そんな大げさな。」「そんなの全然大丈夫。」という方もいるでしょうが、
些細なことでも、身体には確実に疲労として蓄積しています。
軽く見ていると、後で大きなツケを一気に払うことになりかねません。
毎日を健やかに過ごすためにも、リズミカルな生活をすることをお勧めします。


それでも楽しくてつい・・・というときは、
暴飲暴食をしたら、その次は粗食で少食にする。
夜更かししたら、次の日はしっかり早く寝る(おそくまでねているのはNG )
など、崩れたリズムを矯正してあげましょう。


また、身体を冷やすとさらに体調を崩しやすくなります。
冷たいものを食べすぎたりしないのはもちろんのこと、
この時期の風はまだ冷たいので、汗をかいてそのままだったり、薄着だったりすると、
身体を冷やしてしまい、風邪をひいたり、ぎっくり腰などになってしまう人がとても多いので、
こまめな着替えや、気温の変動に合わせて上着を羽織るなどしましょう。
スカーフなどを持ち歩いて、寒くなったら巻いてあげるのもいいと思います。


休暇を楽しくリフレッシュして、また元気に日常を過ごしましょう。









2014年4月12日土曜日

春の風はいたずら

春の嵐が吹き荒れています。
せっかくきれいに咲いた桜も、昨日の大風ですっかり散ってしまい、
風景も新緑に染まり、気温の上昇も手伝って初夏の雰囲気にがらりと変わってしまいました。


でも今はまだ、「清明」という春真っ只中の季節です。


「清明」という時期は、草木の花が咲き始め、万物に気があふれだすといわれ、
植物だけでなく、動物も人の身体も活動期に入って気が充実します。


しかし、まだ肌寒い日があったりするし、
身体も活動期にスイッチが入ったばかりなので、
バランスが悪く、ちょっとした刺激に過敏に反応しやすくなっています。




自然界でも、冬の冷たい北風から暖かい春風に変わるとともに、
流れるエネルギーも陰から陽に変わります。


春の風はその暖かい陽のエネルギーで、、眠っていた身体を目覚めさせ、
起き出した身体は、その内側に貯めていたエネルギーを外側に発散して、
元気に活動を始めます。




その半面、春の風はいたずら好きで、目覚めたばかりの身体をくすぐるように吹き抜けるので、
びっくりした身体は、その刺激に過敏に反応して、さまざまな症状を引き起こします。
ですから東洋医学では、春は「養陽防風」(陽のエネルギーを養い、風邪を防ぐ)
が養生の原則とされています。


外気の陽気を取り入れ、エネルギーを発散させるために、
皮膚は毛穴の開閉を盛んに行いますが、
急激に変わる環境に俊敏に対応しきれません。
ですから容易に風の侵入を許しやすいのです。


「風邪(ふうじゃ)」と呼ばれる、体に悪さをする風は、遊走性があり、
体に侵入すると動き回り、あちこちに引き連れや痛みを引き起こします。




首や背中を撫でていく風は、悪寒や発熱など春風邪を引き起こし、
胸や腕を撫でていく風は、咽痛や咳鼻水といったいわゆる呼吸器系の風邪を、
頭や顔を撫でれば頭痛を、時には顔面マヒなども引き起こします。


また、強い風に長く当たれば、体中を巡って、くびやかただけでなく、ふくらはぎなど、
筋肉が固かったり弱っている個所に引きつりを起こしたりもします。


また、開いた毛穴から水分も取られるので、肌は乾燥しやすく、
そうかと思えば、今度はなかなか開かなくて熱をこもらせたりすることもあるので、
じくじくした湿疹など、肌のトラブルも多くなります。




ですから、暖かくなったからと言ってすぐに襟ぐりの広い服や薄着をして、
春の風邪を容易に侵入させないようにすることが大切です。
軽やかに春のファッションを楽しみたいところですが、薄手の上着やスカーフなどで、
直接風に当たらないようにしましょう。




また、お風呂を出るときに、足と顔に冷水をかけたり、
朝、顔を洗う時も冷たい水で洗うなどすると、
ぼんやり開いている体(毛穴)などをきゅっと締め、
ぼんやりしている自律神経を機敏にさせるので、効果的です。


同時に、表面の水分は抜け出て肌はカサカサするのに、
代謝は悪くなって身体の内側や粘膜はむくんでしまうので、お水もたくさん飲みましょう。

2014年3月21日金曜日

春の体調


桜の開花の声もちらほら耳にするようになりました。
関東はもう少し先のようですが、梅は満開で、こぶしの花も大きなつぼみを膨らませています。

風はまだ冷たいけれど、日差しはすっかり春の陽気で、
急に色付き始めた季節に、心もウキウキしてきます。

厳しい寒さに耐えるように、身をちぢこませていた冬から、
暖かい春がやってきて、自然界は休息期から活動期に入りました。
植物は芽を出し,花を咲かせ,動物たちは冬眠から目覚め,繁殖を始めます。

暖かくなると、陽気(プラスのエネルギー)が自然界にあふれ出し、
私たちの身体も新陳代謝が活発になり、
体内に溜まった冬の老廃物を外に出し、新鮮なエネルギーを取り入れて、
新しい季節を元気に動き回る身体に変わっていきます。

このとき、身体を動かすために、
気血の巡りを調整するはたらきのある「肝」という臓器が活発に活動しますが、
めまぐるしく変わる春の陽気についていけず、
「肝」が急に暴れだしたり、機能低下してしまったり翻弄されてしまいます。

すると、口内炎や、肌荒れが起こりやすくなり、
風邪やアレルギーなどに反応すると、湿疹やジンマシンが出たり、
思春期や更年期では、ホルモンのバランスが崩れやすくなり、
急に動悸や血圧が不安定になったり、のぼせや生理不順など、
さまざまな不定愁訴を引き起こします。
また、「肝」は、過敏にストレスに反応するので、
疲れ目やイライラ、気分が落ち着かないなどの症状も起こりやすくなります。

ですから、この時期はストレスには気をつけて、無理をせず、
外に出たり、軽い運動をして上手に気分転換を図りましょう。
このとき、激しい運動をすると、却って気をあげてしまい、頭痛などが起こりやすくなりますから、
あくまでも軽い運動にとどめるほうがいいでしょう。

春の陽気は、消化器官にも影響を及ぼしがちで、
食べ過ぎると、上記のような症状を助長してしまいます。
また、刺激物や肉,高脂肪の食品も気を高ぶらせてしまいます。
ですから、特にアレルギーのある方は、アレルギー症状を助長させてしまうので、
食事は腹7分目くらいにとどめ、低カロリーに抑えましょう。
そして「肝」の暴走を抑え、消化器官を養うために、
酸味を少なくし、甘めの味付けがおススメです。

やる気が出ない、気分が落ち込むなどの症状があるときは、
身体のエネルギーが不足している人が多いので、補う必要があります。
ねぎや生姜、紫蘇、大豆、など、気を上昇発散させる効果のあるものがおススメ。
また、春の野菜で陽気を分けてもらうと元気が出ます。

逆に、のぼせやストレスでイライラしたり、目の充血や自律神経の乱れには、
ニラ,セロリ,三つ葉、かんきつ類などの香りのある食材が、
滞っている気を流して、症状を緩和させてくれます。

翻弄される「肝」を養う食材は、あさり、しじみ、はまぐり、あさり、などの貝類と、
ほうれん草やアスパラガスなどが効果的です。

逆に、暖かくなったとはいえまだ身体は冷えやすいですから、
冷たいものや生ものは控えた方がいいでしょう。
そして、春の野菜はエネルギーをもらうには最適ですが、
たけのこや山菜などはあくも強く生命力が強いので、
あまり体調がよくないときに食べると、パワーに負けてしまって、
却ってアレルギー症状などを助長させてしまうので、気をつけてください。




2014年3月14日金曜日

風邪の水分補給に。

雪が降ったかと思うと、日差しが強くてコートを脱ぐ日があったり、
雨が降ったかと思うと、花粉やらPM2.5などが舞ってきたり。
めまぐるしい環境の中、大変ご無沙汰しておりました。

この1ヶ月弱の間に、先生のドイツ出張があり、
それと重なるようにインフルエンザの大逆襲に遭い、
さながら野戦病院のような日々が続いておりました。

春とともに本来なら終焉を迎えるインフルエンザですが、
今年は再びの大流行。
特にインフルエンザB型の大襲来に、
大人も子どもも飲めない食べられない症状が出る人が多く、
つらい思いをされました。
熱が出ているときに水分が取れないと、脱水症状を引き起こすため、
症状も更につらい状態になるし、子どもや高齢者は特に危険な状態に陥ってしまうので、
水分が取れているかどうかは重要なポイントです。

発熱や下痢により、体内の水分と電解質が失われるため、
ただの水だけだと、水分と電解質のバランスが崩れるので、
たくさん飲んでも脱水が改善されません。
特に小さいお子さんや、高齢者の方はバランスが急激に崩れやすいので、
イオン水など、電解質を含んだ飲み物を摂取する必要があります。

でも、最近推奨されているOS1は、お味がイマイチで(苦笑)、
お子さんには特に不評のよう。
食欲のないときですから、余計に味に好き嫌いも出るでしょう。
いくら身体に必要だと言い聞かせても、飲むのを嫌がったり、
吐いたりするのでは本末転倒です。
そこで、今日はOS1の代わりになる飲み物をご紹介しますので、
少しでもおいしく飲めるもので、摂取してください。

1)甘めがいい場合

手作りOS1 

材料:湯冷まし1ℓ、砂糖40g(大さじ4 1/2)、塩3g(小さじ1/2)
作りやすい分量です。
量は割合を考えて増減させてください。

市販のOS 1と同じ効果がありますが、基本は砂糖水なので、味に癖がありません。
ほんのり甘いやさしい味です。

2)甘いのはいや。しょっぱい物なら・・・

梅しょう番茶(1回分)

材料:番茶(カップ1)、梅干し(中1個)、生姜汁2.3滴、
塩こぶ(ひとつまみ)(もしくは醤油ひとたらし)

梅干しは、細かくたたいて、生姜汁、塩こぶと一緒にカップに入れ、その上から番茶を注ぐ。

梅干しのクエン酸や塩分は、電解質のバランスを調節するだけでなく、
代謝を促したり血液をサラサラにして痛みを和らげたり熱を下げ、
生姜は胃腸の調子を整えます。


3)爽やかな味が欲しい

はちみつレモン

湯冷ましにはちみつとレモンを混ぜる。
味はうっすらとする程度に、することが秘訣です。

酸味がだめだと言う人も多いですが、中にはそれがいいという人もいます。
そんなときはおススメです。

レモンに含まれるビタミンCやクエン酸は、疲労回復や抗ウイルス作用があり、
はちみつには強い殺菌力があり、のどや鼻の細菌の繁殖を抑え咳に効きます。

4)ホットポカリスエット

定番ですが、市販のもは味が濃すぎて身体に吸収しにくいので、
2~3倍に薄めて飲みましょう。
ホットにすると、おなかを冷やしたり胃酸を薄めず、水分吸収が高まり、
にんじんの絞り汁を少し加えると、粘膜の保護に効果があります。


どの飲み物でも、共通するのは味は薄めにすること。
濃い目の味は、水分の吸収を低下するだけでなく、熱のときは唾液も少ないですから、
口の中にいつまでも味が残って、べたべたするので、気持ちが悪くなったりします。

あくまでも補助的なものですが、上手に使って養生してください。


2014年2月21日金曜日

溶連菌も大流行です。

ソチオリンピックに、連日盛り上がりを見せ、毎日寝不足の方が多い今日この頃。
あいかわらず、インフルエンザウイルスもA,Bとも元気に飛び回り、
スギ花粉もPM2,5もますます大量に飛ばされていて、
咳、くしゃみ、も、原因がいったい何なのかわかりません。


興奮冷めやらぬ日々ですが、しっかり睡眠をとって身体を作って、
それらに負けないようにしなくてはいけませんね。

ここのところ、多く見られるのは、溶連菌感染症の方。
主に2~10歳の子どもに多く、大人は少ないと言われていますが、
今年は、大人の方にも少々出ている方が多いような気がします。

今年は大雪に見舞われたり、気温もアップダウンが大きく、厳しい冬で、
インフルエンザや、嘔吐下痢症なども流行していて、
体力が消耗している人が多いからなのかもしれません。

感染すると、1~7日くらいの潜伏期間の後、
急な発熱、激しいのど痛、時に頭痛などもみられます。
(ひどいと、嘔吐も伴うことがある)
のどは真っ赤に腫れ、扁桃腺が化膿して、首のリンパ節が腫れて痛みます。
(ならないときもある。)

お子さんの場合は、発疹やイチゴ舌(舌がイチゴのように真っ赤になり、ぶつぶつができる)、
ひどく罹ると、皮膚が剥けたりしますが、
風邪やインフルエンザと症状がよく似ているため、間違われやすいです。
また、胃腸炎の症状(腹痛、嘔吐)も伴うこともあります。
おかしいなと思ったら、舌や発疹を確認するのもいいかもしれません。
今年は特に、インフルエンザと溶連菌が合併する例も多く見られるので、
熱が高くてなかなか下がらない場合は、医師の診断を受けることをおススメします。

大人は感染経験が多いため、症状はそれほどひどくありませんが、
子どもの場合は、症状が消えてから2~3週間後に、
リウマチ熱や腎炎などの症状が出ることがあるため、注意が必要です。
症状が収まったからと言って、すぐに遊びに行かないで、しっかり休養をとることが大切です。
無理をさせないようにしましょう。

これは、溶連菌感染症に限らず、風邪やインフルエンザなどでも、同じことが言えます。
ウイルスや細菌と戦った後の身体は、とても消耗しています。
この期間をしっかり休まないと、何度もいろいろな病気に感染しやすくなり、
こじらせてしまいますので、元気になってからも最低2日はしっかり休みたいものです。

溶連菌と診断されると、抗生物質が処方されます。
抗生剤を投与すれば、短期間で症状は治まります。
抗生剤を投与するのがいやな場合は、症状が消えるまでに4~5日要します。
その場合は、おしっこの色や量をちゃんとみて、水分をたくさん摂る様にしましょう。
ハーブを利用してる方は、エキナセアとエルダーをおすすめします。
のどの痛みにはプロポリススプレーもいいですよ~刺激的ですが・・・

予防にしても、感染中の養生にしても、
睡眠休養が一番大切です。
疲れたときは、しっかり休みを取り、無理をしないようにすることが一番の健康法です。





2014年2月7日金曜日

チョコレートの効能



身体の芯まで冷えてしまいそうな冷たい風が吹いています。
明日は広い範囲で大雪警報も出ていて、
冬真っ只中と言う感じですが、そんな中、梅の花が咲き始めています。
小さな紅色の花が北風に揺られながらけなげに咲いている姿を見ると、
気分的に少しだけ暖かく感じます。

心が温かくなるといえば、来週はバレンタインデー。
最近は、女の子同士で交換するのが流行っていたりしますが、
好きな人に甘いチョコレートを贈るのって、考えただけでも心がほっこり綻びませんか?

さて、そのチョコレートですが。
意外に身体にいいって知っていました?

物の本によると、
チョコレートのポルフェノールは、赤ワインよりもたくさん含まれていて、
血管を広げる作用を持つので、冷え性や、高血圧や血栓を予防し、
改善する効果があるそうです。

また、チョコレートの甘い香りには、集中力を高め、緊張を和らげる効果がありますから、
仕事や受験勉強の合間の間食に最適ですね。
また、ヨーロッパでは寝る前に、よく食べられています。

そしてチョコレートにはカルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛などの
ミネラルがバランスよく含まれ、また食物繊維も多く含まれるので、
便通や美容にも効果も期待できます。

驚くべきは、ダイエットにも効果があるっていうこと。
ダイエットの天敵とも言われる代表格のチョコレートですが、
チョコレートに含まれる脂肪は吸収されにくく、
筋肉を作りやすくして、脂肪を抑えると言う実験結果もあるそうです。

とはいえ、板チョコ一枚で、遭難者を救うほどの高脂肪高カロリーのチョコレート。
カカオマスのほかに、生クリームやミルク、砂糖などもふんだんに含まれていますから、
たくさん食べれば、身体にいいものとは言えません。
 
チョコレート会社に勤めている患者さんが、
「チョコレートは太らないけど、ミルクチョコレートは太る。」とおっしゃっていましたが、
それはこういうことなのかな。
摂取量としては、たったの20g。
板チョコなら1列くらいの少量で、充分ポリフェノール効果が得られるそうです。

だから、お気に入りのチョコレート一粒と、飲み物を用意して、
ゆっくり味わいながら、ホッと一息ついたらいかがでしょう。

ちなみに、チョコレートの合う飲み物は、チョコレート専門店のアンケートで、
ブラックコーヒーがダントツの1位でしたが、
ホットミルク、紅茶もなかなかの人気。
でも、チョコレート大国ベルギーのショコラティエの方が言うには、
緑茶か水が一番合うんですって。

チョコレートのとろりとした濃厚な味と甘さは、一粒でも心が豊かになれるもの。
それに身体の芯を温めるような飲み物でブレイクタイムしたら、
チョコレート以上の効果も得られそうです。

特に、これから受験を控えた受験生や、
毎日忙しくて、ストレス満載の方には、いいですね。

ただし、授乳中のお母さんと、アレルギーが出ている方は残念だけどNG。

濃厚なチョコレートの脂質が、おっぱいをつまらせてしまうから。
そして、カフェインは、赤ちゃんを興奮させてしまいます。

また、花粉症やアトピーなど、アレルギーを発症中の方は、
チョコレートの甘味と脂質が、炎症を助長してしまうので、
症状がひどくなってしまいます。

チョコレートの香りは、リラックス効果がありますから、
どうしても・・・と言う方は、チョコレートの香りのアロマなどで楽しんでください。

そして、これはあくまでもチョコレートだけの話で、
チョコレートクッキーやチョコレートケーキには当てはまりませんので、ご注意を。






2014年2月1日土曜日

春の準備を始めましょう。

2月になりました。
昨日立春を迎え、暦の上では春です。

太陽の動きとともに、自然界に陽気(プラスのエネルギー)が少しずつ上昇して、
それとともに人の身体も、休息期から活動期に入るための準備が始まりました。
まだまだ寒くて、身を震わせる日々が続きますが、
春に向けて、健やかに活動できるような身体を作っていきましょう。

前にもお話したように、秋冬は、活動を抑えた休息期。
それが立春を境に、活動期に変わります。
まず、今まで休んでいた機能を動かすために、
今までためていたエネルギーを血で運んで、全身にエネルギーを行き渡らせます。


エネルギーを作り全体に運ぶのはおなか(脾)。
エネルギーを含んだ血を、どこにどれだけ運ぶのかコントロールするのは肝。
そして血を流すのは、心。

これらの機能が、フル活動になるため、それの力を補ってあげることが必要です。
薬膳の世界では、身体が切り替わるこの2月、
それらの力を補うためににらを食べると言われています。

にらの効能は、身体を温め、冷えによる痛みやしびれを和らげる働きがあります。
脾、肝、腎を養い、弱い陽気を温め、冬の間に溜まった毒素を解毒し、
末端に滞った血を流して、身体の巡りを助けると、言われ、
また、内臓出血を止める効能もあります。

他にも、消化酵素の分泌を促し、食欲を増進させ、ビタミンB1の吸収を高めます。
ビタミンC、B1,B2が豊富で、
カルシウム、鉄、カリウムなどのミネラル成分も多く含んでいますので、
成長期のお子さんや、妊婦さん、中高年の方におススメしたい食品です。

おススメなレシピは、豆腐とにらの卵とじ。

ニラは、卵とあわせると、ビタミンA を多く摂れ、
成人男子に必要な量の90%を賄えます(100グラム食べた場合)


材料
豆腐(絹ごし)、ニラ、豚ばら肉、にんにく、生姜、卵、水、味噌、和風だし、酒

1、ニラは4~5センチくらいに切り、豆腐は好みの大きさに。
  にんにく、生姜は薄切り、豚ばらは3~4センチに切ります。

2、鍋に水、生姜、にんにくを入れて火をかけ、
  沸騰したら、和風だしと豚ばら肉を入れる。

3、2に少量の味噌を加え、再び沸騰したら豆腐を入れて、中火弱で10分煮る。

4、味噌を更に加えて、味を調え、ニラを全体的に載せてふたをし、
  しんなりしてきたら、溶き卵をまわしかけてふたをして、卵が半熟になったら出来上がり。

お好みで、キムチや辛味を入れてもおいしそうですね。

冷え性の方、お疲れ気味の方にとてもおススメです。
まだまだ寒い時期を乗り切るためにも、ぜひお試しくださいね。

2014年1月25日土曜日

ウイルスの大好きな季節です。

冬の寒さもますます増して、
雪が降るとか降らないとかというコメントもよく聞きます。
こちらは幸いまだ雪は降りませんが、
どこからか吹いてくる雪風が、冷たさを運んで芯まで冷えてしまいます。

天気がいいのはいいけれど、すっかり乾燥も増長して、
のどはいがらっぽっくなるし、お肌もカサカサ。
いつもより余分の水分保湿が欲しいところです。

こんな寒くて乾燥した空気は、私たちにとってはありがたくないけれど、
ウイルスたちにとってはとても住みやすい環境。
今巷をにぎわせているノロウイルスやインフルエンザウイルスも、
こんな乾燥した空気が大好き。
他にもロタウイルスなどの胃腸炎を引き起こすウイルスも、ただいま増殖中で、
巷にはさまざまなウイルス疾患が発症しています。

どのウイルスも共通していることは、飛沫感染と接触感染により広がります。
ですから、防衛として万全ではないですが、
うがいと手洗い、外出時はマスクが有効と言えます。

一般に、
インフルエンザは、発症前日から発症後5~7日。
ノロウイルスは、潜伏期間は1~2日、発症は2~3日程度ですが、
保菌期間は発症から1週間と言われています。

とはいえ、そんなに休めないのが実情。
しかも、発症前は感染していることもわからないし、
ウイルス感染しても、3分の1は症状があまり出ず、
3分の1は発症しないと言われているので、
必然的にウイルスは蔓延してしまいます。
ですから、ウイルスと接触しても感染しない強い抵抗力をつけて、
自衛することが大切です。

まず一番大切なことは、粘膜に潤いを保たせるために、十分な水分補給と、
体力を必要以上に消耗させないことと、
消耗してもすぐ補給、メンテナンスができるように、
十分な睡眠をとることです。

また、免疫力を高めるためには体温を上げることが効果的で、
体温が1℃上がると、免疫力が20%上がると言われています。
体温が普段から低い人は、生姜がおススメです。

韓国では、「キムチを食べないと病気になる。」と言われているそうですが、
にんにくは体力を滋養しますし、発酵食品は、酵素の効能により、
腸内細菌の環境をバランスをよくし、肝機能を整え、免疫力を高めます。
ヨーグルトも、最近インフルエンザによく効くと騒がれていますが、
外国の食べ物に頼らなくても、日本は発酵食の宝庫です。
納豆、味噌、醤油、漬物、日本酒や甘酒、など、
身の回りには昔ながらの発酵食品がたくさんあります。
そういった食品は、日本人の身体に適するように作られていますから、
見直してみるのもいいかもしれませんね。

さまざまなウイルスがはびこる今の時期、
上手に身体を作って、感染から身を守っていきましょう。

2014年1月10日金曜日

お正月疲れの胃腸のために

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

お正月も明け、来週は成人式。
大人になる方はもちろん、お父さんお母さん方も、
20歳まで立派に育て上げた自分たちのために、お祝いをしてくださいね。

さて、行事の多かった年末年始。
ご馳走もたくさん食べて、胃腸も少々お疲れ気味。
胸焼けや胃もたれがあったり、身体がむくみ気味だったりしませんか?
体重が増えてしまった人も多いでしょう。

胃は、わりと自虐的な内臓で、疲れたり具合が悪くなると、胃の中に熱を持ち、
胃酸が増加するので、たくさん食べたくなります。
しかし、胃酸は出ますが、消化してエネルギーに変える力がないために、
胃酸も食物も胃に滞留したままになるので胃酸で胃壁を傷つけ、
水分も滞らせてしまうので、身体がむくみやすくなります。

ですから、食べ過ぎているはずなのに、
「食べても食べてもおなかがすく。」「いつも食べないのに、たくさん食べている。」
というときは、逆に食べる量を気をつけなくてはなりません。

特にお子さんは、風邪を引く前など体調を崩す前に、
そういう症状がでやすいので、注意が必要です。

こういう場合は、もちろん胃腸を休め疲れを取ることはもちろんですが、
胃の熱を下げて、滞ったものを流すように促してあげることが必要です。

白菜、セロリ、きゅうり、こんにゃくは、熱を下げて便通をよくします。
また、大根、かぶ、たまねぎ、そば、らっきょうなどは、
滞ったエネルギーを流す作用を持っています。
特に大根は、胃の熱を下げる作用と、
消化を促し、おなかに滞っているエネルギーや水分を、全身に巡らせる効果があるので、
食べすぎて疲れた胃腸にもってこいです。

大根おろしや、なますなど、生で食べると更に効果的です。
ただし、たくさん食べるとおなかを冷やして逆効果になりますから、気をつけてくださいね。

胃もたれなどで胃が重たい、食べるとすぐにげっぷが出てしまうなどの症状のときは、
かぶやれんこんが、胃腸を優しく力づけてくれます。

1月7日に七草粥を食べますが、七草の中にすずな(大根)、すずしろ(かぶ)が入っているのは、
こういうことなんですね。

お正月があけたと思ったら、すぐに日常がはじまり、
ぐずぐずしているとすぐに2月になってしまいそうな勢いですから、
早めにおなかも正常に戻して、今年も元気に過ごしましょう。