2015年5月19日火曜日

ネパールからの風に応えて

前回の更新をした後、うっかりしているうちに、
季節は春から初夏へとめまぐるしく変わってしまいました。
最近更新が少なくなってしまって申し訳ありません。

GW明けから、治療院の前では、ミニカフェが始まり、
玄関先のスペースはタープがかかり、その下にはかわいいテーブルが並んでいます。

オリジナルブレンドコーヒーやハーブティと一緒に、
アレルゲンの少ないお菓子やこだわりのパンなどもあって、
治療に来た患者さんだけでなく、いろいろな方の楽しそうな声が聞こえてきます。
新しいコミュニケーションの場として定着できるといいなと思います。




さて、先日このミニカフェに、畑美奈栄さんがいらしてくれました。
畑さんはネパールで、医者も薬もない山々の村に、
鍼灸をひろめようと活動されている鍼灸師さんです。
赤十字と共同でネパールに鍼灸学校を作り、鍼灸師を育て、
その卒業生と無料巡回医療を展開させています。
また、ネパールに自生するヨモギを使って棒灸を作り、村々の医療に一役買い、
かつ、艾工場で人々を雇用することにより、生活の自立も促しています。

しかし、先日4月25日のネパール大地震により、
多くの村が崩壊し、たくさんの人々が不自由な生活を強いられています。
畑さんが活動されている施設は、幸いにも崩壊は避けられましたが、
そこで働くスタッフたちの家が崩壊や半壊し、
棒灸の生産から巡回医療までの活動が、完全にストップしてしまいました。

地震当時、畑さんご自身は講演会のため日本に滞在中で、被災されなかったのですが、
あちらへの支援準備をして、ネパールに帰国される前にこちらに来ていただいて、
ネパールの状況や支援活動の様子などのお話を聞かせていただき、胸が痛かったです。

ネパールでは、長引く余震、避難生活の長期化などにより、
ますます畑さんの活動が必要になってきます。
畑さんの活動を支援することが、これからのネパールを支援することになると考え、
私たちもお手伝いしたいと考えています。

畑さんの活動を支援している「ティパティよもぎの会」のHPに、
詳しい活動と現在のネパールの状況などが書かれていますので、
ご興味のある方は覗いてみてください。


ティパティ よもぎの会
http://yomoginokai.namaste.jp/index.html


今、畑さんは、ネパール復旧支援のため、ネパールと日本で活動を広げています。

「チャリティ棒灸イベント」と称し、日本の様々な場所で
ネパール棒灸での施術や販売をして、ネパールへのカンパを募っています。

現在、このイベントに参加する方と、
イベントを開く場所を提供してくれる方を募集しています。

お問い合わせ、ご連絡は、ティパティよもぎの会までお願いします。


2015年4月6日月曜日

春うららですが・・・


春うららです。
 
冬の寒さはあっという間に春の風に追いやられ、
気がつけばもう5月の陽気なんだと、天気予報が言っていました。
突然やってきた春に、桜の花は慌てて咲いて、
開花したかと思ったらすぐに満開に。
 
桜の花は、蕾から開花までの時間が短いと、花の色が薄くなるそうで、
そう言えば、今年の桜はいつもより白い感じがします。
 
さて、急にやってきた春に翻弄されるのは、桜だけではありません。
毎年のことではありますが、暖かくなったと言っても、まだ朝晩は冷える毎日。
花冷えという言葉もあるように、急に冷え込む日もあります。
今週はまた冬の陽気に逆戻りだそうで、急激な気温変化には身体もびっくりです。

冬の間は毛穴がぎゅっと締り、風や冷えを防御していますが、
暖かくなると身体の緩みとともに毛穴も開き始めます。
でもこの時期は、身体はまだ春仕様になったばかりで、
毛穴も急激な寒暖に対応しきれません。

身体の中に侵入して悪さをする「風」を「風邪(ふうじゃ)」と言うのは、
前にもお話しましたが、
「春一番」と呼ばれる風があるように、春は風がよく吹きます。
春の風は、暖気と寒気を両方含んでいますから、
このような風が吹くと、その両方が身体の中に侵入し、
しかもその風は暴れん坊ですから、
身体の中を吹き回って、至る所に痛みや不具合を生じさせます。

悪寒を感じ、風邪を引いたり、
筋肉をひきつらせて、こむらがえりや、ぎっくり腰、寝違えなどを起こすのも、
この風邪のいたずらです。
ですから、スカーフや上着で直接風があたらないようにすることが大切です。

春に動き出すのは臓器は「肝」(肝臓)です。
「肝」は、血の生成や分配を司るところで、
冬の休息期だった身体を活動期に代えるために、
「肝」は一生懸命血を全身に巡らせなければなりません。
 
しかし「肝」は、血気盛んな臓器で(だって、血を分配するところだから())
興奮しやすく、すぐ暴走します。
しかも、抑えつけられるのがキライなので、ガマンを強要されたりすると爆発します。
「肝」の興奮は、そのまま身体や感情の興奮にもつながりますから、
春は浮かれたり、イライラしたり、とても忙しいのです。

先ほどの「春の風」が侵入すると、それを煽ってしまうので、
「肝」は暴走して、多量に血を送り出し、
急に血の気が多くなった場所に痛みを引き起こします。
頭はたくさんの血を必要とするので、特に痛みを引き起こしやすい場所と言えるでしょう

身体の中で一番血の分配量が多いのは頭です。
ですから、「肝」が興奮して、多量の血を一気に送ると、血管を圧迫して頭痛を引き起こします。
また、風邪が冷気をつれてくると、急に血管が収縮して重痛を起こしたりもします。
(よく氷を食べた時に起こったりする、あの痛みです。)

胃は、消化するときにたくさんのエネルギーが必要なので、たくさんの血を分配されます。
ですから、血が分配されるほどにたくさんの胃液分泌を促すので
「肝」が興奮して、必要以上の血が巡ってくると、
過食になったり、胃酸過多で胸やけを起こしやすくなったりします。

また、血が全身に運ぶ「栄養」は、「脾」(おなか)で作ります。
「脾」は、「肝」の命令により、血に栄養を載せて身体中に栄養を送ります。
春は活動期に入った身体を動かすために、「脾」もフルに動くので、
「肝」の興奮が昂ぶると、「脾」はそれに振り回されて、疲れ果ててしまいます。

冬に溜まった毒素をデトックスすることも重なり、
おなかが痛くなったり下痢をしやすくなります。
ですから、春は腹七分目くらいにして、おなかに負担をかけないようにしましょう。
おなかが健やかならば、十分な栄養を効率よく運ぶことができるので、
「肝」が暴走しようとしてもそれを抑えることができます。

心も身体もつい、うきうきしてしまう春ですが、
それと同じだけ、具合の悪くなる季節でもあります。
ちょっと意識をして、健やかな春を過ごしましょう。


 

2015年2月1日日曜日

アンチエイジングな私たちの味方

寒い寒い日が続きます。
暖冬と言われていた今年の冬ですが、やっぱり雪も降りまして、
暖冬でもやっぱり冬は寒いんだなぁと思うこのごろです。

年末も年始のご挨拶もしないまま、今日で1月も終わり。
すっかりご無沙汰しておりましたが、今年もちょこちょこ更新しますので、
お付き合いいただければと思います。

さて、冬の寒さに、すっかり体が冷えて縮こまり、
肩にも背中にも力が入って、身体はこりこり。
巡りも悪くなりますから、身体を動かすのもなんとなくだるい感じ。

その上、すっかり「お年頃」な私たちは、
ホルモンのバランスも崩れがちのところに、さらに冷えも重なり、
この季節はさまざまな不定愁訴に悩まされがちです。

そんな時にとってもぴったりなのは《棗(なつめ)》です。

棗というとなじみがあまりないかもしれませんが、
日本でも昔はよく食べられていた小さなリンゴのような果物で、
優しい甘みとしゃくしゃくとした触感があり、ドライフルーツとして売っていることが多いです。
ナツメヤシと呼ばれる「デーツ」は、よく似ていますが、種類が違い、
こちらはねっとりした触感と甘さがあります。

中国や韓国では薬効のある食品としてよく食べられていて、
「一日食三棗、終生不顕老(棗を一日3つ食べると老いない)」と言われ、
老化防止として古くから用いられていました。

ドライ棗は漢方では「大棗」と呼ばれ、冷えやむくみ、貧血、便秘や下痢(慢性的な)、
婦人病、、婦人強壮に使われています。

栄養的にも、鉄分、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル分、
葉酸やナイアシンなどのビタミンB群、食物繊維、サポニンなどが豊富に含まれています。
最近は、棗特有の単糖類がアレルギーを引き起こす抗体の生成をブロックする作用があると
発見され、注目されています。

また、サポニンは、脂質の代謝を促進し、便秘やむくみの解消にも効果があるといわれ、
常食にすると太りにくい体質をつくり、老廃物を排出して肌荒れ解消の効果も期待できます。
そして、鉄分やカルシウム、マグネシウムの含量も多く、
精神安定作用があり、不眠にも効果があるので、
アンチエイジングの女性が抱えるさまざまなトラブルに、
いろいろな方面からサポートしてくれる食品と言えます。

棗は生よりドライフルーツのほうが栄養素が高く、
また、ドライのほうが手に入りやすいです。

食べ方としては、そのまま食べるのもいいですが、
生姜や紅茶などと一緒にお茶にするのがおすすめです。

「なつめ茶」(作りやすい量)
材料:棗20こくらい・生姜ひとかけ・はちみつ
1.なつめとスライスしたしょうがをカップ6杯くらいの水で1時間煮る。
2.煮たなつめとショウガを取り出し、フードプロセッサをかけ、漉す。
3.2をもう一度煮汁に戻し、火をかけ、なじんだらできあがり。
4.お好みではちみつを加えてどうぞ。

時間のない方は、こちらをどうぞ。

「なつめ紅茶」(1人分)
材料:なつめ1こ・生姜しぼり小さじ1・紅茶・はちみつ・あればクコの実
1.なつめを適当にさいて、材料を全部カップに入れ、熱湯を注いで5分ほど待つ。
2.やわらかくなったなつめをつぶしてできあがり。
3.お好みではちみつを加えてください。

紅茶は温性で、気を補い血を養う。
生姜は、胃や肺から寒を追い出し温める。
はちみつはおなかの疲れを取り、腸の働きを助け便秘を解消します。

2014年12月19日金曜日

今年の冬至は朔旦冬至です。

爆弾寒波の襲来で、日本列島が真っ白になりそうなほどあちこちで大雪が降りました。
東京近辺は運よく雪はそれたけど、大雪に見舞われた地方の方々は大丈夫でしょうか?
雪は降らずとも、東京も昨日今日と氷点下を記録して、
いよいよ冬も本番です。


暦でも、今年は12月22日が冬至。
スーパーや八百屋さんで、カボチャやゆずが店頭にたくさん並んでいます。


今年の冬至は19年に一度のレアな「朔旦冬至(さくたんとうじ)」だそうです。
冬至というのは、1年で一番昼間の短い日なのは周知の事実ですが、
かつては1年の始まりという意味でした。


冬の太陽はとても低く、地面にできる影もとても長くなります。
まだ時を刻むものが日時計だけだった時代、
1年で一番影が長い日を「冬至」とし、一番影が短い日を「夏至」とし、
それをもとに暦が作られました。


東洋医学では、すべての物事は「陰と陽(マイナスとプラス)」で表され、
それらはお互いにバランスを取って成り立っているといわれています。


太陽は暖かい陽気(プラスのエネルギー)を地球上に降り注いでいます。
一年で一番低い「冬至」は、陽気が一番弱くなる時であり、
この後からまた少しずつ多くなっていく日でもあります。
そのことから、昔の人はこの日を「太陽が新しく生まれる日」として、1年の始まりとしたわけです。


また、太陽と同じように月の満ち欠けも昔の人は重視していました。
満月から少しずつかけていき、新月には空から姿を消しますが、
また少しずつ復活していく様子は、太陽のそれとよく似ており、
「新月」は「冬至」に相当します。


この「冬至」と「新月」が一緒に来るのが「朔旦冬至」で、
太陽(陽気)と月(陰気)の誕生が重なるということで、とてもめでたい日であるとされ、
昔は宮廷でも宴が催されました。


しかし、気(エネルギー)の運行上は、陽気も陰気も最も弱い日であるわけで、
天からのエネルギーの享受が少なくなるのですから、
身体は冷えやすく、体力も落ちます。
外部からの外邪(冷えや風邪など)も侵入しやすくなりますから、
他の日よりも意識して身体を温め、
体力が落ちるのを防がなければなりません。


冬至にカボチャを食べ、ゆず湯に入るのは、
そういった邪気に打ち勝つ体力をつけ、強い香りで厄払いをし、
新しい年を元気に過ごそうとしたのです。


今は、昔のように食糧が不足しているわけではありませんから、
かぼちゃを食べる意味も、ゆず湯に入る意味も薄れていますが、
「冬至」という一つの節目に、儀式的でもそういうことをするのは、
自分の身体を意識するという意味で、とてもいいことだと思います。


実際、今、インフルエンザも冬風邪も大流行中。
昔に作られた暦ですが、現代でもしっかり生きていると思います。


予防接種や薬に頼るだけでなく、
昔の人の声に耳を傾け、お風呂にゆずを浮かべながら、
季節と身体の関係を考えてみませんか?

2014年12月12日金曜日

ウイルス性胃腸炎も流行中。

12月も半ばともなると、師走の慌ただしさを実感します。
それとともに、インフルエンザや下痢嘔吐、溶連菌に、アデノウイルスなど、
さまざまな冬風邪も活発に発症し始めました。


今朝も通勤中、電車から降りた途端、ホームで思いっきり嘔吐をしているお子さんと会いました。
一緒にいたお父さんは、オロオロ(そりゃ、するよね。)
とりあえず改札の駅員さんを呼びに行ったけれど、大丈夫だったかな?


駅や電車の中で具合の悪くなる方が、毎日たくさんいます。
師走の忙しさに、いつもよりもラッシュの人々のイライラども高まってるし、
その中での押し合いへし合いはかなり大変。
暖房はきついし、コートは脱げないし。
お子さんなら尚更ですよね。
少し具合が悪いな・・・というときは、
無理をしないで途中で降りて休むとか、ひとつ電車を遅らせることも必要だなぁと思います。


さて、下痢嘔吐をした場合、排出物からウイルスが飛び散りますから、
なるだけ素早くそれらを処理することが大切です。
排出した瞬間にウイルスが空気中に大量に飛沫してしまうからです。


例えば、トイレで下痢や嘔吐をしたり、それらを処理した場合、
しっかりふたを閉めて流さないと、トイレの中にウイルスが充満してしまい、
次に入った人たちが感染してしまいます。


下痢嘔吐風邪のウイルスは空気感染で、その感染力も強力なので、
2次3次の感染ルートをなるべく広げないようにすることが大切なのです。


そうはいっても、特に下痢嘔吐風邪は突然発症しますし、
潜伏期間も、知らないうちにウイルスをまき散らしています。
これは下痢嘔吐のウイルスに限ったことではなく、、
ウイルス全般にいえることですから、感染から身を守るためには自衛が大切です。


100%有効ではありませんが、
マスクは空気中に散乱したウイルスから身を守ることができます。
風邪もひいていないのにマスクをつけるのは煩わしいものですが、
今のところ一番簡単で効果があると思います。


そして、必要以上に人ごみには入らない。
手洗い、うがいはこまめに。
外で不用意にものを食べたりしない。


不特定の人たちが利用するトイレなどは、ウイルスが潜んでいる可能性が多いですから、
利用するときは特に注意が必要です。
自分が使うときは、流す前にふたをして。
(もしかしたら自分も保菌しているかもしれませんからね)


そして何よりも大切なのは、睡眠をしっかりとること。
疲労の蓄積は、そのまま免疫力の低下につながります。


また、体温の低さは、免疫力の低さに比例しています。
1℃違うと、免疫力は20%低下するといわれています。
ですから身体を冷やさないこと。


このふたつを気を付けるだけで、たとえ菌を身体に入れてしまっても、
発症を防げます。


空気中にたくさん飛び交うウイルスから身を守り、
楽しい年末年始を健やかに過ごしてくださいね。

2014年12月5日金曜日

風邪を引くということ

寒波襲来で、暖冬と言われていた今年の冬も急激に寒くなってきました。
寒さと同時に、さまざまな風邪がはやり始め、
インフルエンザも流行の兆しを見せています。


連日テレビではインフルエンザの予防に予防注射をと、報道していますが、
インフルエンザにかかる人は、予防接種をしてもかかるし、
予防接種を一度もやらなくても、かからない人はかかりません。
様々な情報が飛び交っていて、毎年この時期、
「打つべきか、打たざるべきか」迷う人も多いでしょう。
でも、病院やテレビなどの言われるままに選択するのではなく、
自分の体調や、体質などを踏まえ、自分の意志で選択してほしいと思います。


さて、インフルエンザにしても、冬風邪にしても、
風邪を引いている人と一緒にいても、
移る人と移らない人がいるのはなぜだと思いますか?
それは菌やウイルスに対して抵抗力があるかないかの違いともいえますが、
逆の見方をすれば、風邪を引くのは身体が疲れている証拠だとも言えます。


健康な人の身体は、刺激に対して柔軟に対応することができます。
たとえば、すれ違いざまに人とぶつかったとき、
筋肉の柔軟な伸縮でその衝撃を受け止めたり流したりすることができます。
しかし、使いすぎて疲れた筋肉は、こわばり伸縮がうまくできません。
すると、その衝撃を受け流すことも踏ん張ることもできずに転んでしまいます。


それと同じように、私たちは、身体の中も寒暖の差、乾湿、
菌やウイルスといった外部からの刺激に対して、普段は順応に対応しています。
しかし、身体を使いすぎて疲れていると、その刺激に対応できず、
その力に負けて不具合を起こしてしまいます。


身体を使えば、消耗するし、歪みも生じる。
それを日々の生活の中で、毎日解消できればいいのですが、
現代社会において、早寝早起き、規則正しい食事…というのはなかなか難しく、
日々の疲労は蓄積し、それをリセットしないまま溜めていくと、
身体はどんどん凝り固まり、
刺激を受けた時に取り返しのつかない事態を引き起こしかねません。


風邪はその前に、身体をリセットするための一つのサインなのです。


熱が出て、節々が痛くなり、おなかが痛くなって下痢をしたり、
のどが痛くなって鼻や咳が出たり。


それは身体の中に侵入したウイルスや菌と身体が戦っているのと同時に、
身体に溜まった「いらないもの」を吐き出すシステムでもあります。


ですから、熱が出たからと言って安易に解熱剤を飲んだり、
下痢止めを飲んだりすると、そのシステムも止めてしまうので、
せっかく身体がリセットしようとしているのを止めてしまうことになります。


また、仕事が忙しいからと言って、身体のサインを無視して休みを取らないと、
身体は今度はサインを出さなくなってしまいます。
熱や下痢などのサインは、「身体を休めれば治ります」とのサインでもあります。
風邪症状を感じなければ楽だと思うでしょうが、
それは「風邪を引かない」ということではなく、身体の警報機能がマヒしたということで、
とても危険なことです。


風邪を引いたら、身体をリセットする時期が来たのだと思い、
薬を多用して強引に直そうとせず、
上手に風邪が経過するようにしましょう。


特別なことは何もありません。
疲れた身体を休ませる。これだけです。
身体を冷やさず、消化の良い食事をし、しっかり睡眠をとる。
出るものは出し、身体の声に素直に従う。
当たり前のことですが、一番大切なことです。


子供が急激に成長するとき、知恵熱などがでますよね。
熱が出てびっくりするけれど、そのあとは成長がさらに伸びるものです。
それと同じで、風邪を上手に経過させれば、身体もすっきりできますよ。



2014年11月7日金曜日

冬の養生

北風とともに冬がやってきました。
今日は立冬。
冬の初めの日にふさわしく、冷たい風が頬を撫でていきます。


天気の良い日は、まだ日差しが暖かくて過ごしやすい秋の陽気ですが、
朝晩はめっきり冷えて、昼間との温度差が10℃以上の日もあり、
上掛けも薄手のものからダウンやコートを着る人も増えてきてました。


冬という季節は、植物は枯れて土の中で根を張り、動物は冬眠します。
人間も自然の摂理に従い、活動期の春夏から、休息期に入り、
エネルギーのベクトルは外から内へ、、「蔵」することに動きます。
ですから、冬は無理な活動は控え、
身体を冷やさないようにゆっくり過ごすことが大切です。


身体に「蔵」されたエネルギーは、
疲れてガタがきている場所を補修したり、消耗した場所を潤し、
来シーズンの春に元気に活動できる身体を準備します。


また、寒気から身体を守るために、毛穴を閉じ、身体を固めるため、
気血の循環が悪くなります。
すると、筋肉や関節の痛みが出やすくなり、
血管や循環の障害の発症率が高くなります。


だからといって身体を緩めてしまうと、
今度は外気の冷えや乾燥が身体に侵入するのを許してしまいます。
休息期は、身体の機能も低下していますから、
さまざまな不定愁訴を引き起こしやすくなります。


急な寒暖の差にも、なかなかついてけませんから、
温かい部屋で汗を掻いたらこまめに拭き、
急にふく冷たい風を身体に入れないために、
袖や裾のつぼんだ服や、薄手の服を重ねる。


温かいものを食べて身体の中から身体を温める。
汗を掻かなくても、水分の消耗は夏と同じくらいですから、
水分は少しずつこまめに取る。


お風呂に入ったら、最後に手足と顔に水をかけて、
外気に触れる前に毛穴を締めるなど、
衣食住ともに、気を付けることが大切です。


休息期ですから、もちろん睡眠はたっぷりと。
早寝遅起きが、冬の正しい過ごし方です。


忙しい現代人。
これから忙しさもピークになりますが、
できるだけ休息を取ることを心がけ、
来年も元気に過ごせるように、生活を見直しましょう。