2012年12月30日日曜日

ウイルス性胃腸炎大流行


年の瀬となりました。
クリスマス寒波が、押し寄せ、一気に寒さが加速して、
今年の年末年始は、寒さも厳しそうです。

ただいま、ウイルス性胃腸炎大流行。
いわゆる嘔吐下痢症といわれる、冬の風邪です。
巷をにぎわしている、ロタウイルス(乳幼児に多く、下痢便が白くなる)
ノロウイルス(大人も子ども幅広く感染。今年大流行中)、
アデノウイルス(乳幼児に多く、比較的軽症なことが多い)などがあります。
ウイルスの潜伏期間は1~3日で、
まず突然の嘔吐で発症し、同時か少し送れて下痢症状が始まります。
また、発熱や、腹痛を伴うこともあり、ウイルス性のものは、咳や鼻水も出る場合があります。

細菌性の場合は、抗生物質を投与しますが、ウイルス性のものは抗生物質は効きません。
下痢も嘔吐も、身体の中に侵入したウイルスを外に排泄しようとする防衛反応ですから、
むやみにとめてしまうと、かえってこじらせます。

下痢や嘔吐とともに、水分が喪失されてしまう上に、発熱による皮膚からの蒸発の増加もあり、
吐き気で水も飲むことができないと、脱水になってしまいます。
下痢や嘔吐の場合の脱水は、ただ単に水分が不足するだけでなく、
身体の中の電解質(ナトリウム、カリウムなど)も一緒に喪失されてしまうので、
湯ざましの食塩水(コップ一杯の水に塩ひとつまみ)か、イオン水(スポーツ飲料やOS1など)で、
これらを補給しましょう。

OS1は、薬局などでも買えますが、うちで簡単に作ることも出来ます。
湯ざまし1リットルに、砂糖40g(大4.5)、塩3g(小さじ半分)入れて混ぜればOKです。
ぜひ、お試しください。
ここで大切なのは、冷蔵庫で冷やしたものではなく、常温以上のもので。
できれば、体温以上の温かくしたものをの飲むことをお勧めします。

ただし、一度にたくさん飲むと吐き気を促してしまうので、少量をこまめに取りましょう。
かんきつ類のジュースや、炭酸水、お茶は、刺激が強すぎ、乳製品は消化が悪いため、
吐き気を助長して胃腸に負担をかけてしまうので避けたほうがいいです。
脱水症状の兆候は、肌がかさかさして、色がくすんでいる。
唇が乾燥するのに、飲みたいと思わない。
ぐったりとしている。おしっこがでない。手足が冷たく、眠い・・・などです。
水分も飲めず、これらの症状が続くようなら、早めに医療機関に受診しましょう。

そうでなければ、ウイルス性の疾患は、3~4日くらいで症状は自然に寛解します。
おなかを温め、充分に水分を取り、家で安静にしていれば心配ありません。

症状が軽くなっても、胃腸の負担や、身体の消耗はかなり大きいです。
無理をせず元気になっても2日くらいは安静にしていましょう。

しばらくは水分だけしっかりとって、食欲が出てきたら、消化のいいものを少しずつ食べましょう。
リンゴ、トマト、バナナは、カリウムが豊富で、電解質の補給にもおススメです。
とくにリンゴは、お腹の具合も整えるので、
小さい子や、お年寄りにはすりおろしりんごなどがいいでしょう。

また、患者さんが排泄した汚物を処理する場合は、ビニール手袋などで処理した後、
消毒液で拭いて、処理したものはすべてビニールなどに入れて処分しましょう。トイレはふたをして流すとウィルスの飛散を防ぎます。消毒液は、500mlのペットボトルに水に、塩素系ハイターをキャップ4分の1を入れて、よく振ってから使うといいでしょう。

今年も、このブログに来てくださいましてありがとうございました。
また来年もよろしくお願いします。

では、忙しい年の瀬ですが、無理をせず、楽しい年末年始をお過ごしください。
来年も健やかな1年でいられますように。



2012年12月21日金曜日

今日は冬至です。

今日は冬至。
暦の上では真冬となります。
東洋医学では、季節を4つに分け、その季節をまた4つに分けて、
暦を24に分割して季節の移り変わりをあらわしますが、
冬至は冬を4分割したうちの真ん中にあたります。つまり、真冬。

冬至のこの時期は、北半球では太陽が一年中で一番低くなり、
昼が一番短く、夜が一番長くなります。

東洋医学で言えば、陰(マイナス)のエネルギーが一番多くなる日です。
この日に、かぼちゃを食べてゆず湯に入ると、
風邪を引かない、長生きする、一生お金に困らない、厄除けになるといわれています。

別にこの時期のかぼちゃに風邪を予防する成分が多く含まれるわけではありませんが、
昔はこの時期にビタミンやミネラルを多く含む野菜が少なかったため、
保存が利いて、ビタミン、ミネラルなどを豊富に含むかぼちゃが重宝されたためです。

とはいえ、かぼちゃにはカロチン、ビタミンEが多く含まれていて、
皮膚や体内の粘膜を強化し、動脈硬化の予防や、視力、骨や歯にも効果があり、
免疫力が高まり、便秘解消にも有効ですから、
げんかつぎ抜きにしても、この時期お勧めの食べ物です。
また、がんの予防もすると報告もありますし、種は、貧血や低血圧にもいいです。

ゆずについては、前回説明したとおりですが、
実は、冬至には「ん」のつく食べ物を食べるといいといわれています。

前にも説明したとおり、冬至は陰のエネルギーが一番多い日で、
これ以降は、だんだん陽のエネルギーが増えていきます。
そのため「一陽来復」といって、悪いことばかり続いたとしても、
ここから幸運に向かうという日とされています。

ですから、冬至に「運」(「ん」)のつく食べ物を食べると、運がついて幸運になるそうです。
「なんきん(かぼちゃ)」「にんじん」「れんこん」「ぎんなん」「きんかん」「かんてん」「うんどん(うどん)」
など、「ん」が2つつく食べ物が特にいいとされます。
某CMでは、「モンブラン」なんていうのも出ておりましたが(笑)、それはどうでしょうね?

きょうはこの1年のリセットの日でもあります。
運をたくさんつけて、来年はいい年にしましょう。




2012年12月14日金曜日

疲れたら空を見上げて

こんにちは。
今年もあと2週間余りとなりました。
ここ何年か、年の瀬に限らずバタバタとしていて、
師走の忙しさを感じないまま新年を迎えているような気がします。

今年もこの年末にバタバタと選挙などもあり、
別の意味で騒がしくなっています。
考えてみたら、中国も、アメリカも、韓国も、そして日本もみんな国の指導者が変わるんですよね。
日本に限らず、世界中がなんだかバタバタして、新年を祝う気分でないみたい。

忙しいという字は、「心を亡くす。」と書きます。
あれやこれやと忙しさに追われて、季節や生活を感じることができないなんて、
なんだか幸せじゃないような気がします。

これからクリスマスや大晦日にお正月。
日本では盛りだくさんの行事が目白押し。
忙しさで目が回りそうになったら、ちょっと立ち止まって空でも見上げてみましょう。

冬の空は、1年で一番空気が澄んで、青空も星空もとてもきれいです。
上を見上げると、胸が広がって深い呼吸ができます。
寒いから、忙しいからといって縮こまって下ばかりを向いていないで、
思いっきり澄んだ空気を吸い込んで、身体中で滞ってしまったものを息と一緒に吐き出しましょう。
胸を広げて肩甲骨を動かすと、横隔膜や肋骨が広がって、肺が伸びやかに呼吸できます。
そうしたら忙しくて煮詰まった頭も、巡り始めますよ。


昨日は折りしもふたご座流星群のピークでした。
澄んだ夜空に、星が流れる様子がはっきりと見られました。
今夜も、若干遅い時間(午前2時ごろ)ではありますが、見られるようです。


でも、冬の空気は冷たくて、乾燥しています。
ウイルスは、このような冷たくて乾燥した場所を好むので、
インフルエンザなどのウイルス性の風邪が流行ります。

そして呼吸器は、滋潤を好み乾燥を嫌いますから、この時期は一番苦手な季節。
しかも、汗をかかなくても、身体はこの乾燥した空気に随時水分が奪われています。
風から身を守るためには、身体の乾燥を防ぐことが一番の予防です。

ですから、「お水のチョコチョコ飲み」をお勧めします。
夏は汗を掻くことによって、ミネラル分も流れてしまいますから、
アルカリイオン飲料や少し塩を足した水などを飲みますが、
冬は皮膚や呼吸から、純粋に水分だけが取られてしまいますので、
お茶やイオン水などでなく、生水がいいです。
もし、冷たければ、白湯がいいでしょう。

そして、夏のようにごくごくと飲まず、少しずつ、口に含んでゆっくりと飲みましょう。
水分がじんわりと身体に浸透して、潤ってきて、呼吸が楽になってきますよ。



2012年12月7日金曜日

冬のお勧め、豆乳鍋

ただいま北日本を、爆弾低気圧が通過中。
ものすごい風と、寒気が襲って、通過中の場所はもちろん、
その影響で、日本中が冷え込んでいます。

皆様、どうか身体冷やさないように気をつけてくださいね。

さて、冬といえば鍋。
こんなに深々と冷える日は、みんなでひとつの鍋をつついてホカホカとしたいですね。
今日のお勧めの食材は豆乳です。

大豆から消化しにくい繊維質を取り除いて(おから)、
大豆に含まれるたんぱく質や脂肪組織を十分に壊してあるので、
とても消化吸収のよい良質な栄養が取れる食材です。
ですから、老若男女問わず、病人や虚弱体質の人にも適しています。

たんぱく質は、皮膚、内臓、筋肉、骨、血などの細胞や組織を作るのはもちろん、
ホルモンなどの材料にもなる大切な栄養素です。

また、大豆の脂質は、不飽和脂肪酸が80%以上占め、
そのうち必須脂肪酸であるリノール酸やリノレン酸の比率が高いのが特徴です。
そのため、コレステロールが少ない上に、
血管に付着するコレステロールを除去する善玉コレステロールを増やし、
更に血流を良くする作用があるので、
高血圧や動脈硬化(コレステロールが原因による)と、それに伴う疾患の予防に効果があります。

そのほか、記憶力を高め、脳の老化やボケ予防、
女性ホルモンの減少によって起こる諸症状にも効果も高く、
たんぱく質だけでなく、豊富なビタミンやミネラルにより、
美肌効果や、貧血予防にも効果があります。(鉄分は牛乳の10倍も入っているんです。)

東洋医学的には、体力消耗を改善し、体に溜まった熱を冷まし、
水分代謝をスムーズにしてくれます。冬は腎という機能が活発に作用し、
次の活動時期のためのエネルギーを貯めます。
この腎の機能を助けて元気を養う豆乳は、
一年の疲れが溜まった身体を養うのにとてもいい食材だといえましょう。

ただ、豆乳は食材の性質上、身体を冷やす作用があるので、
今の時期は、そのまま飲むより、熱を入れて温めて食べた方がいいと思います。
そんなわけで、豆乳鍋をお勧めします。

食べやすいのは、だしと豆乳を1:1か3:2くらいの割合で割ります。
簡単なのはだし醤油(色を良くするには白だし醤油)をお湯で割るといいです。
それに食材を入れて煮れば出来上がり。やさしいお味の鍋になります。

鍋に入れる具は、何でも合いますが、
身体を温める根菜類に、疲れてヘロヘロな時は気血を補う豚肉を、
お腹の調子がいまいちのときは鶏肉、身体が冷えがつらいときはにらやねぎを、
そしてストレスで気分がイライラしているときは白菜などを入れると、更に効果的ですよ。
寒い夜、そんな風に少し鍋の中身も考えて食べてみると楽しいですね。