2014年3月21日金曜日

春の体調


桜の開花の声もちらほら耳にするようになりました。
関東はもう少し先のようですが、梅は満開で、こぶしの花も大きなつぼみを膨らませています。

風はまだ冷たいけれど、日差しはすっかり春の陽気で、
急に色付き始めた季節に、心もウキウキしてきます。

厳しい寒さに耐えるように、身をちぢこませていた冬から、
暖かい春がやってきて、自然界は休息期から活動期に入りました。
植物は芽を出し,花を咲かせ,動物たちは冬眠から目覚め,繁殖を始めます。

暖かくなると、陽気(プラスのエネルギー)が自然界にあふれ出し、
私たちの身体も新陳代謝が活発になり、
体内に溜まった冬の老廃物を外に出し、新鮮なエネルギーを取り入れて、
新しい季節を元気に動き回る身体に変わっていきます。

このとき、身体を動かすために、
気血の巡りを調整するはたらきのある「肝」という臓器が活発に活動しますが、
めまぐるしく変わる春の陽気についていけず、
「肝」が急に暴れだしたり、機能低下してしまったり翻弄されてしまいます。

すると、口内炎や、肌荒れが起こりやすくなり、
風邪やアレルギーなどに反応すると、湿疹やジンマシンが出たり、
思春期や更年期では、ホルモンのバランスが崩れやすくなり、
急に動悸や血圧が不安定になったり、のぼせや生理不順など、
さまざまな不定愁訴を引き起こします。
また、「肝」は、過敏にストレスに反応するので、
疲れ目やイライラ、気分が落ち着かないなどの症状も起こりやすくなります。

ですから、この時期はストレスには気をつけて、無理をせず、
外に出たり、軽い運動をして上手に気分転換を図りましょう。
このとき、激しい運動をすると、却って気をあげてしまい、頭痛などが起こりやすくなりますから、
あくまでも軽い運動にとどめるほうがいいでしょう。

春の陽気は、消化器官にも影響を及ぼしがちで、
食べ過ぎると、上記のような症状を助長してしまいます。
また、刺激物や肉,高脂肪の食品も気を高ぶらせてしまいます。
ですから、特にアレルギーのある方は、アレルギー症状を助長させてしまうので、
食事は腹7分目くらいにとどめ、低カロリーに抑えましょう。
そして「肝」の暴走を抑え、消化器官を養うために、
酸味を少なくし、甘めの味付けがおススメです。

やる気が出ない、気分が落ち込むなどの症状があるときは、
身体のエネルギーが不足している人が多いので、補う必要があります。
ねぎや生姜、紫蘇、大豆、など、気を上昇発散させる効果のあるものがおススメ。
また、春の野菜で陽気を分けてもらうと元気が出ます。

逆に、のぼせやストレスでイライラしたり、目の充血や自律神経の乱れには、
ニラ,セロリ,三つ葉、かんきつ類などの香りのある食材が、
滞っている気を流して、症状を緩和させてくれます。

翻弄される「肝」を養う食材は、あさり、しじみ、はまぐり、あさり、などの貝類と、
ほうれん草やアスパラガスなどが効果的です。

逆に、暖かくなったとはいえまだ身体は冷えやすいですから、
冷たいものや生ものは控えた方がいいでしょう。
そして、春の野菜はエネルギーをもらうには最適ですが、
たけのこや山菜などはあくも強く生命力が強いので、
あまり体調がよくないときに食べると、パワーに負けてしまって、
却ってアレルギー症状などを助長させてしまうので、気をつけてください。




2014年3月14日金曜日

風邪の水分補給に。

雪が降ったかと思うと、日差しが強くてコートを脱ぐ日があったり、
雨が降ったかと思うと、花粉やらPM2.5などが舞ってきたり。
めまぐるしい環境の中、大変ご無沙汰しておりました。

この1ヶ月弱の間に、先生のドイツ出張があり、
それと重なるようにインフルエンザの大逆襲に遭い、
さながら野戦病院のような日々が続いておりました。

春とともに本来なら終焉を迎えるインフルエンザですが、
今年は再びの大流行。
特にインフルエンザB型の大襲来に、
大人も子どもも飲めない食べられない症状が出る人が多く、
つらい思いをされました。
熱が出ているときに水分が取れないと、脱水症状を引き起こすため、
症状も更につらい状態になるし、子どもや高齢者は特に危険な状態に陥ってしまうので、
水分が取れているかどうかは重要なポイントです。

発熱や下痢により、体内の水分と電解質が失われるため、
ただの水だけだと、水分と電解質のバランスが崩れるので、
たくさん飲んでも脱水が改善されません。
特に小さいお子さんや、高齢者の方はバランスが急激に崩れやすいので、
イオン水など、電解質を含んだ飲み物を摂取する必要があります。

でも、最近推奨されているOS1は、お味がイマイチで(苦笑)、
お子さんには特に不評のよう。
食欲のないときですから、余計に味に好き嫌いも出るでしょう。
いくら身体に必要だと言い聞かせても、飲むのを嫌がったり、
吐いたりするのでは本末転倒です。
そこで、今日はOS1の代わりになる飲み物をご紹介しますので、
少しでもおいしく飲めるもので、摂取してください。

1)甘めがいい場合

手作りOS1 

材料:湯冷まし1ℓ、砂糖40g(大さじ4 1/2)、塩3g(小さじ1/2)
作りやすい分量です。
量は割合を考えて増減させてください。

市販のOS 1と同じ効果がありますが、基本は砂糖水なので、味に癖がありません。
ほんのり甘いやさしい味です。

2)甘いのはいや。しょっぱい物なら・・・

梅しょう番茶(1回分)

材料:番茶(カップ1)、梅干し(中1個)、生姜汁2.3滴、
塩こぶ(ひとつまみ)(もしくは醤油ひとたらし)

梅干しは、細かくたたいて、生姜汁、塩こぶと一緒にカップに入れ、その上から番茶を注ぐ。

梅干しのクエン酸や塩分は、電解質のバランスを調節するだけでなく、
代謝を促したり血液をサラサラにして痛みを和らげたり熱を下げ、
生姜は胃腸の調子を整えます。


3)爽やかな味が欲しい

はちみつレモン

湯冷ましにはちみつとレモンを混ぜる。
味はうっすらとする程度に、することが秘訣です。

酸味がだめだと言う人も多いですが、中にはそれがいいという人もいます。
そんなときはおススメです。

レモンに含まれるビタミンCやクエン酸は、疲労回復や抗ウイルス作用があり、
はちみつには強い殺菌力があり、のどや鼻の細菌の繁殖を抑え咳に効きます。

4)ホットポカリスエット

定番ですが、市販のもは味が濃すぎて身体に吸収しにくいので、
2~3倍に薄めて飲みましょう。
ホットにすると、おなかを冷やしたり胃酸を薄めず、水分吸収が高まり、
にんじんの絞り汁を少し加えると、粘膜の保護に効果があります。


どの飲み物でも、共通するのは味は薄めにすること。
濃い目の味は、水分の吸収を低下するだけでなく、熱のときは唾液も少ないですから、
口の中にいつまでも味が残って、べたべたするので、気持ちが悪くなったりします。

あくまでも補助的なものですが、上手に使って養生してください。