2013年6月28日金曜日

梅は万能薬

6月ももう終わり。
毎日梅雨らしい日々が続いていますが、今年も暑い夏がやってきそうです。
過酷な今年の陽気。
でも、梅やびわなどには、とても具合がいいようで、
あちらこちらから豊作の声を聞きます。

ことに、梅は今年大豊作で、
梅ノ木が庭にある方は、うれしい悲鳴を上げています。
高枝バサミを持って、一家総出で収穫しても取りきれないなんて・・・すごいですよね。

そんなわけで、今年も患者さんからたくさんの梅をいただきまして、
スタッフもそれぞれジャムを作ったりして。
その家ごとの味があって、食べ比べるのも楽しいです。

梅干しを干すのは難儀でも、ジャムやシロップなら簡単に作れますから、
試してみるのも楽しいですよ。

さて、今が旬(今年は早くて、もう黄色い完熟したものが多いけど)の梅。
梅は昔から「三毒を断つ」と言われ、身体にいいものとされています。
三毒というのは、食べ物、血液、水分の毒です。

梅には有機酸がとても豊富で、疲労回復、殺菌、抗菌に優れた効能があります。
また、腸内環境を整えてくれるので、下痢や腹痛のときにも効果があります。
最近の研究では、血流をサラサラにする成分も発見され、
まさに三毒に太刀打ちする素敵な食品と言えますね。

東洋医学でも、梅は漢方薬のひとつとして扱われています。
「肺の組織をひきしめ、腸の働きを活発にし、胃を元気付け、虫を殺す」と、漢方の古典にも、
記載されていて、
下痢や吐き気止め、食中毒、解熱、咳止めにも使われています。

梅の成分に多く含まれる有機酸(クエン酸やりんご酸、リノール酸など)は、
東洋医学では「酸(酸味)」に分類され、肝臓の働きを高める味で、
肝臓の働きである解毒や血液全般に効果をもたらします。
また、収れん作用があり、病的に降りてくるものを止める作用がありますから、
多汗症や、下痢、頻尿、慢性の咳、心悸などに酸味の強いものを使ったりします。

その反面、酸は上がっているものを下ろす作用もあるので、
利尿、解熱、鎮静効果もあります。

梅を使ったレシピは、日々進化をしていて、
先日、梅をらっきょう酢に漬けるというレシピを聞きました。
これだと、簡単に梅の酸と酢の酸のW効果が得られそうです。

これからの時期、とても活躍しそうな梅。
上手に摂って、元気に夏を乗り越えましょう。








2013年6月21日金曜日

梅雨を乗り切るレシピです。


今週もまた、台風がやってきてムシムシ度もMAX.
みなさん、毎日いかがお過ごしですか?

毎日からだがしっとりするほどの湿気に包まれ、
部屋も身体もなんとか除湿したい気分です。

先週、除湿効果のある食品をご紹介したところ、
ぜひレシピもと言うことでしたので、そちらをご紹介したいと思います。

「もやしと春雨のきんちゃく」

材料
具:もやし1袋、春雨30gくらい、鶏のひき肉(できれば鶏もものひき肉)100gくらい、
  油揚げ4枚、塩小さじ1/4
煮汁:水1.5カップ 酒大さじ2.5 みりん大さじ2.5 醤油大さじ2.5 砂糖大さじ1


作り方
1.もやしは洗って水気を切り、電子レンジに2分程度かけてしんなりさせ、
 春雨は熱湯につけて戻し、ざるに上げて水気を切り、5~6cmくらいの長さに切る。

2.油揚げは半分に切って袋状に開き、熱湯に通して油抜きをする。

3.ボウルに鶏ひき肉と塩を入れてざっと混ぜ、
 粗熱を摂った春雨ともやしを順に入れて混ぜ合わせる。

4.3を八等分して油揚げにしっかりつめ、口を楊枝で止める。

5.鍋に煮汁の材料を入れて煮立たせ、4を並べて入れ、落し蓋をして煮る。
 途中、上下を返して煮汁をかけてやると味を良く含む。


先日、「緑豆もやしと春雨の料理を!」というわがままに、
うちの賄い担当スタッフの作ってくれた力作です。

除湿効果の高い緑豆のW食品に、大豆加工品を加えたまさに除湿料理です。

ボリュームがあり、食感も面白くて、おいしい!
しかも油を使わないので、お味もやさしくて、
小さなお子さんからお年寄りまで、おいしく召し上がれる一品です。


もう一品はスープです。
中国で夏に飲むスープだと、中国人のお友達から教わった簡単スープです。

「青梗菜とジャガイモのスープ」

材料
青梗菜1袋 ジャガイモ中2つくらい にんにく1~2かけ
春雨30gくらい 塩コショウ少々 顆粒鶏がらスープ

作り方
1.青梗菜はざく切りに、じゃがいもは短冊切りにしておきます。
2.鍋にごま油を薄く引き、にんにくを入れ軽く炒めます。
3.2に水とジャガイモを入れて火をかけ、沸騰したら顆粒鶏がらスープを入れます。
4.3に春雨をそのまま入れ、青梗菜も加えます。
5.ひとにたちしたところで、塩コショウで味を調えできあがりです。

暑い日には、冷まして冷スープとして飲んでもおいしいです。

青梗菜とジャガイモは、ビタミン群やミネラルを多く含み、
身体の余分な熱を摂ったり、汗の代謝に効果があります。
また、免疫効果を高める作用もあるので、これからの暑い夏に、夏バテの予防に効果があります。
これに、湿気を取る春雨を入れると、ムシムシした暑い夏にぴったりです。

今晩のおかずに、いかがでしょうか?


2013年6月14日金曜日

湿気を追い出す食品たち

ただいま日本列島梅雨真っ只中。
関東地方は、雨続きで水不足は解消しそうですけど、
ムシムシ湿気がすごくて部屋も身体もかびそうです。

前回も書いたとおり、湿度が高くなると、身体の中も湿気が溜まって、
なんだか身体がむくんで、重だるくなるし、頭も痛くなったり、憂鬱な気分になります。

おまけに身体に溜まった湿気は、寒気とくっつきやすく、冷えを助長しむくみを作ります。
むくみは手や足だけではなく、内臓や気管、血管などにも起こり、
めまいなどの身体のさまざまな不調を作ります。
また、熱気とくっつくと、しつこい関節症を引き起こしたりします。

不調の原因湿気を身体から退治するには、どうしたらいいでしょう。
単純に考えれば、代謝を高めてからだの外に余分な水を排出すればいいわけですが、
水は摂りすぎても、摂らなすぎても代謝は下がってしまいます。
ですから、適度な水分を取り、身体を動かして
身体の巡りをよくして汗や尿で排出することが一番理想的なのですが、
そうなかなかうまくいかないのが現実です。
そこで、余分な水を排出するのを助けてくれる食品をご紹介します。

①青い豆
枝豆、ソラマメ、えんどう豆、さやえんどう、さやいんげんなど、これからの季節が旬の、
緑がきれいな豆類は、除湿作用が高くおすすめです。
とくに、緑豆は利尿作用とともに解毒作用が高い食品なので、おすすめです。

緑豆はあまり聞き慣れませんが、「もやし」を作るお豆です。
今はもやしもいろいろな種類がありますが、
昔からあるひょろりんとした一番安い(笑)もやしが緑豆もやしです。

それから、一番細い春雨も緑豆で作られた食品ですから、
スープやチャプチェにすればメニューの幅が広がりますね。

ただ、利尿作用の強い食品は、身体を冷やす性質のものが多く、
今旬のこれらのお豆は、暑気払いにも使われますから、
これから暑くなる季節にはもってこいですが、
冷え性の方は気をつけて食べないといけません。

②野菜果物類
野菜や果物にも、利尿作用によって体内の余分な水分を排出する食品はたくさんあります。
アスパラ、なす、ごぼう、のり、昆布、マンゴー、バナナは、
利尿作用が強いですが、身体を冷やす作用があります。

きゅうりやスイカメロンなどの、ウリ類も利尿作用がありますが、それよりも熱をとる効果のほうが強いので、これからの暑い日に、暑いところで食べて欲しい一品。
特に、皮の部分には、熱をとる作用が強く、
中国では、発熱時に解熱剤の変わりに食べたりするほどです。

サツマイモ、ブドウ、スモモは、身体の温度にはあまり関わらない性質。
まいたけ、こんにゃく、たまねぎ、さくらんぼは、身体を温める性質があります。
これからの季節、冷房の聞いた部屋で過ごす機会の多い方は、これらの食品をおススメします。

②穀豆類
とうもろこし、大豆、黒豆、小豆、ハトムギも、利尿作用の高い食品です。
特に、とうもろこしのひげはとても強い効果があります。
とうもろこしをゆでるときに、一緒にゆでた後、スープにするのもいいでしょう。
韓国では、これをお茶にして飲んだりします。
今は、韓国食品を売っているお店などで、ティーバックになって売っていたりしますから、
それを利用すると、簡単です。

大豆は、身体も冷やす性質もなく、身近な食品なので取り入れやすいのですが、
豆腐に加工されると、性質が冷やす作用に変わります。
冷奴にするなら、身体を温める性質の生姜などを加えたり、
湯豆腐にした方が身体にやさしい食べ方です。

また、日本では、大豆は食事に欠かせないもの。
調味料も合わせれば、毎食上がる食品です。
健康にいいからといって、他の食品の変わりになるほど摂取すると、
自分が思っている以上に摂取することになります。
もともとアレルギーを引き起こしやすい食品でもありますし、
過剰摂取して、めまいなどを引き起こすなどの例も聞きますから、注意が必要です。

「過ぎたるは及ばざる如し。」
身体にいいものでも、とりすぎれば身体を害します。
バランスよい食事をすることが、一番大切だと思います。
そして食品は、健康を助ける手助けをするものです。
身体にいい食品だけを食べても、不摂生をしては健康にはなりません。
食事を気をつけるとともに、規則正しい生活をして、健やかに梅雨を乗り切りましょう。




2013年6月7日金曜日

おやつで気分転換




きょうのおやつは、昨日のお休みに京都に行ってきたスタッフからのおみやげです。
ふふふ、「生茶ゼリー」。
つるるんとして、冷たくてちょっと苦味の残った抹茶のゼリー。

甘味は控えめなので、後味もすっきり。
みんなの大好きなおやつです。

ジメジメ、ムシムシしたこの陽気、
身体は湿気で浮腫んで重だるいし、いつも疲れが取れず、
なんだか元気が出ません。

こんな時は気分転換に、目にも楽しく舌にも楽しいおやつで、気分転換を図るのも悪くありません。

昨日の京都は、新緑がとてきれいで、気持ちのいい風が吹いていたそうです。

趣のある空間で、ゆっくり森林浴なんていいなぁ。

右は、鈴虫寺に続く階段。
左は地蔵堂。

写真を見ているだけでも、森林の気持ちのいい風が吹いてきそうです。




お菓子のお供は日本茶がいいな。
京都はおいしいお茶もたくさんありますね。

甘いお菓子には、渋みが利いてすっきりした味の日本茶が断然好きです。


 先日、日比谷にある京都のお茶屋さんで、玉露をいただきました。

ここのお茶屋さんは、お茶にあわせて京都の和菓子をつけてくれます。
この日の玉露には、「アジサイ」と言う名の生菓子がついていました。

洋菓子のような煌びやかさはないけれど、日本のお菓子って、お菓子の中に季節や風情が盛り込まれていてとても素敵です。

脂肪分のない和菓子は、洋菓子と比べて身体にも優しいし、その原料は栄養バランスの取れたものが多く、糖分も、
脳を活性化させてくれます。

緑茶には、身体にいいとされるカテキンやサポニンは、
油の酸化防止やコレステロールを下げ動脈硬化や血圧の上昇を抑える効果もありますから、
食後にいただくと効果的だったりします。

お茶に含まれるビタミンCは、加熱しても壊れにくく、
免疫力を高めてくれます。

カフェインは脳の中枢神経を刺激して、気分をすっきりさせたり眠気を抑えます。
また、食欲のないときに飲むと消化液の分泌を促す効果もあるそうです。
ただし、胸焼けをする場合は助長してしまうので控えてくださいね。

もっとも、おやつはお楽しみ要素が高いので、効能など考えずに楽しくいただくのが一番。
もちろん食べすぎはNGだけど、おいしく楽しくいただいて、
午後のお仕事もがんばります。