2012年5月25日金曜日

低体温と免疫力

金環日食の後、ぐっと冷え込んでいったいどうなっちゃうのかと思いましたが、
何とか予定通り暑くなってきましたね。
気温が高くなると、代謝を助けてくれるので活動しやすくなります。
春夏は活動期。元気に身体を動かして、伸びやかに過ごしましょう。

ところで、平熱て何℃かご存知ですか?
正解はは36.0~37.0℃です。
子どもに至っては36.5~37.5℃が平熱と呼ばれ、それ以下の体温を低体温といいます。

しかし、最近、36.0℃以下の低体温の人がとても多いような気がします。
成人だけでなく子どもの平熱も36.0℃以下で、37.0℃以上だと、
幼稚園や保育園からお迎えの電話が来るそうで、驚いてしまいます。

なぜ、低体温が増えているのでしょう?
低体温になる原因はさまざまです。
冷飲食の過剰摂取、エアコンの普及、運動不足、ストレス・・・でも、一番悪いのは夜ふかしです。

人は活動するとエネルギーを燃焼して熱を発生します。
その熱は、気(生命エネルギー)や血液によって全身に運ばれ体温になります。

東洋医学では、身体の機能に「腎」という機能があります。
いわゆる「腎臓」にあたりますが、西洋医学でいう「腎臓」の働きのほかに生殖、成長に関係して、
先天的な生命エネルギーを貯めておく場所とされています。
このエネルギーは、生まれたときにお母さんのお腹からもらって出てくるエネルギーで、
生命の存続に関わるときに使われる大切なエネルギーです。
これは、後から作り出すことはできず、なくなると死んでしまいます。

また腎は、昼間の活動で興奮した身体を鎮静化させるラジエーター的な役割もします。
そのラジエーターに使われる「水」は、夜寝ているときに「腎」に貯めこまれます。

夜遅くまで起きていると、その興奮を鎮静化させるためにその分「水」を使わなければなりません。
夜貯めるはずの「水」を補給することができず、更に大量消費してしまうため、
結局、ちゃんと活動の興奮を鎮静化させられないまま翌日を迎えてしまうので、
身体をしっかり回復させることができず、疲れが残ってしまいます。

そして、夜の冷たいエネルギーを身体に取り込み、身体を冷やしてしまうので、
身体の機能が低下して,気血のめぐりを悪くしてしまうので、
それを解消するために先天性の生命エネルギーを使わなくてはならず、
「腎」に多大な負担をかけてしまいます。

日没から日の出までは「陰の時間」といって、マイナスの冷たいエネルギーが流れる時間帯です。
とくに、午前0時から急激にそのマイナスのエネルギーが活発になり、
午前3時から5時までがもっとも気温も体温も低くなる時間です。
この時間帯は、身体の機能ももっとも低下する時間帯でもあり、身体の抵抗力も低下します。
ですから、病で伏している人が亡くなるのが一番多い時間帯でもあります。
風邪や喘息、アトピー症状が出やすくなるのを、実感している人も多いでしょう?

この時間に起きていると,その強いマイナスエネルギーを取り込んで、
それが続くと、ずっと体温が低いままになってしまいます。
すると、「腎」にも負担がかかり続け、免疫力は更に低下してしまいます。

実際、西洋医学でも、体温が1℃下がると、免疫力が30%も低下するというデータも出ています。
風邪を引きやすくなったとか、すぐに出来物ができてしまう、疲れやすい・・・などの症状が気になる人は、病院や薬を考える前に,睡眠を考えてみたほうがいいかもしれません。

2012年5月18日金曜日

金環日食と私たち

自然と人間の関係
5月21日の朝から金環日食があるそうで、今巷では話題になっていますね。
1987年に沖縄で見られて以来、25年ぶりの天体ショー。次は、2030年だそうです。

文房具店や、本屋さん、100円ショップなどでも、日食を見るためのグッズが売られていて、
世紀の天体ショーを、自分の目で確認しようとする人も多いでしょう。
うちの兄ちゃんの高校では、全員に観測用の黒いシートが配られたそうです。
でも、かなり早い時間なので、「起きれない・・・。」と諦めていましたが(笑)

詳しい観測方法などは、こちらのHPで紹介されていますから、観測したいと思っている方はぜひのぞいてみてください。
国立天文台(金環日食HPhttp://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/

金環日食は、古代の人は不吉な前兆として、恐れられていました。
それは動物たちも同じことのようで、金環日食の時には、動物もいつもと違う行動をするそうです。
それを観察するために、今年はいくつかの動物園は、この金環日食に合わせて入園時間を早め、
動物の様子と合わせて金環日食を観測できるようになっているそうですよ。
金環日食・・・それは、地球にどんな影響を及ぼすものなのでしょうね。

この天体ショーを予測する技術は古代から研究されていて、暦が作られたことはもう周知の事実でしょう。
天体の動きと、地球上の自然の動きは一体化していて、それはもちろん人間の身体の変化も相関関係にあります。
東洋医学の世界で干支は、古典によると年、月、日、時間の変化を表わし、更にそこに人体の変化を説明をしています。
干支によって、1年、1月、1日を12分割にして、その時間の流れと、体調の変化を調べ、割り振っています。

例えば、寅時(3~5時)は肺、卯時(5~7時)は大腸、辰時(7~9時)胃・・・。
古代の人はどうやってこれを調べたのか考えると、本当に尊敬してしまいますが、
自分の身体を観察していると、確かにそのように動いているのが分かります。

喘息の患者さんは、よく朝方発作を起こします。
風邪をひいて、咳が出る時、咳き込みが激しいのは朝方だったりしませんか?
また、朝お通じが出やすいのは、卯時に大腸が動きやすいからです。

自然と人間の身体は、いつも同じように動いています。
人間も自然の中の一部に過ぎません。
古典では、ちゃんと太陽の動きと月の動き、そして地球の動きを相関させて、その変化を細かく書き記されています。
それを調べるのはなかなか大変ですが、頭で考えずに、金環日食を見ながら、身体がどんなふうに感じているのか、
自分の感覚で感じ取って見ても、楽しいかもしれませんね。

2012年5月11日金曜日

ストレスに負けない身体を作る(5)~わかめ

毎日毎日、目まぐるしい気候で、天変地異のようです。
せっかく花粉が終わっても、黄砂はまだまだ降り注いでいるし、気圧のアップダウンが激しくて、
アレルギーやら、ホルモンバランスが崩れて、体調不良を訴えている方も多いのでは?
こんなときに無理に動いたりすると、よけいに体力を消耗するので、まずは睡眠を取ることが一番です。
睡眠不足は、環境に合わせて身体を調節する機能が低下するので、
余計にこの激しい変化について行けません。

また、身体の方もようやく活動期に入るスイッチが入ったところです。
今まで貯めていた生命力を外に向けて徐々に活動しようとしてます。
夜更かしをして、夜の冷たいエネルギーを誘いこんだりするのは、
活動しはじめた身体に負担をかけてしまいます。
夜は早めに寝て、昼間の太陽の温かいエネルギーを取りこみましょう。
でも、まだまだ身体は急激な刺激には弱いので、急に活動を始めるのではなく、
身体を少しずつ慣らすように動くのが、春の活動の仕方です。

朝、起きて慌ただしく活動するのではなく、まず、窓を開けて寝ている間に溜まった古い空気を吐き出し、
代わりに新鮮な空気を胸一杯に吸い込みましょう。
新しい空気とともに、温かい昼間のエネルギーも一緒に吸い込むので、活動しやすくなります。
しかしこの時期は紫外線が一年のうちで一番強く、
日中、太陽の光にあたっていると、夏より疲れてしまうことがあります。
そうはいっても、太陽の光を浴びなければ、カルシウムを吸収できません。 
お出かけのときには、過多な陽の光を浴びないように、日傘や、帽子、日焼け止めは忘れずに。
そして、水分補給もこまめにしましょう。

そして、これから来る夏の暑さや、環境の変化にも耐えるためには、身体に抵抗力をつける必要があります。
バランスのとれた適量の食事をとることは、もちろんのことですが、
冬に頑張っていた「腎」(活動期に使うエネルギーを冬の間貯蓄する)を補い、
今の時期、活動期に身体を切り替えるためにしゃかりきになってる「肝」を助けるために、
ぴったりの食材を紹介しますね。

それは「わかめ」です。
旬の時期は少し過ぎてしまいましたが、春が旬の「わかめ」。
黒い食材は、腎を養います。
現代風に言うと、わかめはカルシウムを多く含み、また、カルシウムの吸収を助けるリンも含むので、
日々不足しがちなカルシウムを補うことができます。

また、「ヨウ素(ヨード)」は、欠乏すると精神異常や、皮膚の乾燥、毛髪が傷んで薄くなるなどの症状が出ます。
「わかめ」は、この「ヨウ素」も多く含み、イライラや沈みがちな気分になるのを防ぐことができます。

そして、食物繊維も豊富で、便秘の解消にも役立ち、血圧降下作用のあるカリウムや、食物繊維の「アルギン酸」の働きで、
余分なナトリウムを排せつをしてくれるので、血圧高めの方にも有効です。
(降圧剤を飲んでいる方は、薬によって食べてはいけない食品なので、注意してください。)

みそ汁や酢の物でいただくのがおいしいですね。
韓国では、出産後のお母さんや誕生日に必ず飲む物として、「わかめスープ」があります。

わかめスープ
材料:わかめ、牛肉(できればすね肉)、水、すりおろしにんにく、しょうゆ、ごま油、塩

1、牛肉を一口大に切り鍋で、ニンニクと共に、軽くいためてから水を加え30分くらい煮ます。
 最初は強火で、沸騰したら弱火で。(薄切り肉なら、時短)
2、わかめをたっぷり投入。
3、しょうゆ、ごま油、塩で味を調えて出来上がり。

わかめは少しくたくたになるまで煮るのがいいそうですが
生わかめの場合は、柔らかいので、さっと煮るだけの方がいいでしょう。


また出汁にする食材は、牛肉でなく、アサリなどを使う場合もあります。
これからの時期は、アサリで作るのもおいしいですね。