2012年10月27日土曜日

姿勢と呼吸のこと

涼しくなってとても気持ちのいい日が続いています。
だけど、すごしやすいのに体調が優れない。
そんな人、多くないですか?

風邪を引いて、それがなかなか抜けない。
アレルギー症状が出る。
なんとなく、息が浅い。
お腹の調子ガよくない・・・など。
治療院のほうにも、連日そんな患者さんが多く訪れています。

私たちの身体と、季節はとても密接な関係を持っていますが、
秋は、前にもお話したように、エネルギーを発散させる動の状態から、
エネルギーを貯めて冬の寒さに耐え、
次のシーズンの準備をする静の状態に変わる変換期です。
身体は外の自然界と順応していくので、外側から順々に変化していきます。
そのことからも、秋は肺が反応しやすい時期でもあります。

肺は外気と空気を交換して、それを素に生体エネルギーを作り身体中にめぐらせます。
人間は呼吸できないと生きていけません。
うまく呼吸ができないと、他の器官にも悪影響が及び、不定愁訴を引き起こします。
できるだけいい呼吸をして、身体のめぐりを良くしたいものです。


しかし、現代人は、頭を使う仕事が多く、PC作業を長時間したり、デスクワークの増加で、
長時間、前傾姿勢でいることが少なくありません。
でも、そのような姿勢を持続すると、どうしても顎が出て、背中が丸まってしまいます。
すると、肩甲骨が必要以上に広がり、肩甲骨の間に過度のストレスがかかって凝りを生じ、
呼吸機能が弱くなってしまいます。

肩甲骨の下には、胸郭があり、肋骨によって包まれた肺や心臓が配置されています。
呼吸は、肺だけでするものではなく、そこに配置されている横隔膜や、肋骨や肋間筋や、
その外側にある筋肉を使って行われています。
それらがスムーズに動くと深い呼吸ができて、胸部の深部にある筋肉や骨まで動くと、
他の内臓や神経も刺激して、体全体のめぐりが向上し、免疫力も上がります。

しかし、肩や背中が凝り固まってしまうと、それらがスムーズに動かず、
浅い呼吸しかできず、めぐりも免疫力も低下するという悪循環に陥ってしまいます。

「姿勢が悪いと、病気になる。」というのは、あながちうそではないようです。

また、緊張したり、集中したりすると、ついつい息を吐くことを忘れてしまいます。
いくらたくさん吸っても、吐く息を半分でやめてしまうと、
次の呼吸では新しい空気を半分しか取り込むことしかできません。
息の浅いというのは、こういう場合もあります。

このような呼吸を繰り返していると、古い空気がいつまでも体内に残ってしまうので、
老廃物がいつまで排出されず、体に悪影響を及ぼします。

ですから、作業の途中で気分転換をするように、大きな深呼吸をすることをお勧めします。
息を吐くと、身体中の代謝を高めるだけでなく、筋肉がほぐれるので、
息を吸うと、たくさんの新しい空気を取り込めるだけでなく、血の巡りも良くなりますから、
新しいきれいな血液を脳にたくさん送ることができるので、仕事の効率も上がります。

また、肩甲骨を動かす運動をして、肩や背中の負担を解消することも大切です。

女性は、ブラジャーにも気をつけてください。
ワイヤー入りのものを使っている人が多いかと思いますが、
ワイヤーが乳房の下にある肋骨や深部筋肉を締め付けてしまうので、
胸を広げることができず、呼吸を弱めてしまうので注意が必要です。






2012年10月19日金曜日

食欲の秋です~おいも

秋の空はつるべ落とし。
これは急に日が短くなったっていう意味なんでしょうが、
気温の方も急激に低くなって、朝晩はかなり冷え込みます。

でも、涼しくなったので身体も楽になり、
おまけにおいしいものがたくさん出回るこの時期ですから、
ついついご飯も多めに食べちゃったりします。

特に、栗やイモ類の収穫時期ですから、おいも好きの私としては、うれしい限りです。

おいもはたくさんの食物繊維を持ち、ビタミンCも豊富。
おまけに胃腸を丈夫にして、冷えを改善させると言われている万能野菜。



しかも、おいもの中に含まれているビタミンC は、でんぷんに包まれているため、
火に通しても壊れにくいので、胃腸の働きを助けたり、美肌効果があるとされています。
また、サツマイモにはホルモン様物質が含まれ、肌の老化を遅らせたり、
女性の更年期にもよいとされています。



でもね、ちょっと待って。
摂り過ぎは便秘の原因にもなるのでご注意を。

排便のシステムは、食べ物を食べて胃や腸で消化吸収をして、
不要なものを外に排出するのですが、
ある程度まとまらないと便を出したいという反応が起こりません。
ですから消化のいいものばかり食べているとなかなか腸内に便が溜まらず、
いつまでも腸内に便が残っていることになります。

腸は絶えず便から水分を吸収するので、
長い間腸に溜めておくとどんどん水分がとられて硬い便になってしまいます。
そうすると、出すのも大変になり、ますます便秘の原因を作ってしまうのです。

なぜ食物繊維が排便にいいかというと、便の量を増やすことができるからです。
食物繊維は、人の消化酵素では分解することができません。
ですから、食べた分だけ便として腸に送られてきます。
すると早く腸内で便が溜まり、排便中枢から排便を促すので、
水分が適度に残っている理想的な硬さの便を排出することができます。

しかし、腸の蠕動運動弱い人や、小さな子や高齢者には、
腸に負担がかかりすぎて、排出することができなくなってしまいます。

また、ストレスなどで起こる便秘の人は、ストレスなどの刺激に過敏に腸が反応して、
蠕動運動をうまく調節することができません。
そこへ大量の食物繊維を腸に送ってしまうと、
腸を刺激してしまい蠕動運動が強くなったり弱くなったりして、
便秘や下痢を引き起こしたりします。

また、消化するときに水分をたくさん使ってしまうため、
たくさん食べると、胃酸を増加させてしまうので、
胸やけやガスを溜めてしまうことにもなります。

また、体内の水分がたくさん消耗されますので、
乾燥肌の人や、気管支の弱い人がたくさん食べてしまうと、
身体の乾燥が助長されてしまうので、
かさかさや咳がひどくなってしまうことがあるのでご注意を。

おいしいものを適度に食べる。
それが健康で楽しく過ごす秘訣ってことですね。

2012年10月12日金曜日

食欲の秋です~柿


秋です。秋と言えば食欲の秋、収穫の秋。
おいしい物がたくさん旬を迎え、うれしい季節ですよね。


でも、くまやりすが、越冬のために食物をたくさん食べて身体に栄養を蓄えるように、
人の身体もまた、これから来る冬のために、栄養をたくさん貯め込もうとしています。
ですから、おいしいからと言ってたくさん食べてしまうと、他の季節よりもグッと吸収が増してしまうので
注意してくださいね。

さて、その秋の味覚のうち、最初に取り上げるのは柿です。
丸いのやら、細長いのやら、平べったい物、たくさんの種類が、今お店をにぎわせています。
柿は糖分が砂糖がまだ流通していなかった時代、柿は一番甘いものとされ、人々に好まれていました。
でも、消化に悪いので食べ過ぎるとお腹を壊すとか、聞いたことはありませんか?

柿の特性は「寒性」で、咽を潤す効能がありますので、
顔がいつも赤く熱っぽい高血圧の方や、寝不足やストレスでイライラしやすく熱っぽい人には、お勧めな果物です。
また、アルコールの分解を促すので、二日酔いによいとされています。

しかし、昔の教え通り、とても胃腸を冷やしてしまうので、
冷え症の方は、余計に身体を冷やしてしまうので控えた方がいいでしょう。
また、胃腸の弱い人や高齢者、子どもも控えめに。
食べ過ぎ傾向で、胃がもたれやすい人やむくみやすい人は、
もともと処理しきれない余分な水分が体内に溜まっているので、
甘くて体を冷やす柿を摂ると、余計に取り除きにくくなるのでやめた方がいいです。

最近はドライフルーツも注目されていますが、柿も生と干したものではその効能も違います。
干し柿は、冷やす作用が消え、胃腸を丈夫にしたり、弱った腸の働きを助けます。
また、長引く咳にの人にも有効です。(急性の風邪症状の咳はダメ)